116C62|第116回 医師国家試験 過去問
内科系内分泌・代謝下垂体・水代謝
この患者に投与すべきなのはどれか。
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正解: b
正解
b 高張(3%)食塩液
判断のポイント
この症例は、Na 108 mEq/Lの重症低ナトリウム血症です。
しかも、意識障害、歩行障害、尿失禁などの神経症状を伴っています。
このような症候性重症低Na血症では、まず脳浮腫による危険を下げることが優先です。
そのため、急性期には**高張食塩液〈3%食塩液〉**を慎重に投与します。
なぜ高張食塩液か
低Na血症で脳細胞内に水が入り、脳浮腫が起こると、
- 意識障害
- けいれん
- 呼吸障害
などが出現します。
高張食塩液は、血清Naを適度に上昇させて脳浮腫を改善するため、最初に必要な治療です。
各選択肢の検討
a 維持輸液(Na+ 35mEq/L、K+ 20mEq/L、Cl- 35mEq/L、グルコース5.0%)
誤りです。Na濃度が低く、水分負荷となるため、低Na血症を改善できません。b 高張(3%)食塩液
正しいです。症候性重症低Na血症の第一選択です。c 脂肪乳剤
誤りです。栄養投与であり、この病態の急性期治療ではありません。d 10%ブドウ糖液
誤りです。自由水負荷となり、低Na血症をさらに悪化させます。e 乳酸リンゲル液
誤りです。細胞外液補充には使えますが、この高度低Na血症を迅速に是正する治療としては不十分です。
ひっかけポイント
- 低Na血症では、単に点滴を入れればよいわけではありません。
- 神経症状があるかどうかで初期対応が変わります。
- 症候性で重症なら、まず3%食塩液です。
国試での判断軸
- Na 120未満で意識障害やけいれんがあれば、重症と判断しやすいです。
- 治療では過補正による浸透圧性脱髄症候群に注意し、補正速度は慎重に管理します。
- ただし、設問の「まず投与すべき」で問われているのは、急性期の第一歩としての高張食塩液です。
覚えるポイント
- 症候性重症低Na血症 → 3%食塩液。
- 維持輸液やブドウ糖液は、この場面では不適切です。