34PM103第34回 柔道整復師国家試験 過去問

病理学・一般臨床医学外科・救急・麻酔心肺蘇生・救急対応

72歳の男性。震災後の避難所で車内生活をしている。外傷歴はないが、昨日から下肢の痛みと腫れを訴えている。家族に聴取したところ、「今朝は顔色も悪く、胸に痛みがあるようだ」という。男性に声をかけたところ肩で息をし始め、頻脈と意識がもうろうとなった。考えられるのはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、避難所での車内生活、下肢の腫れと痛み、胸痛、呼吸困難からエコノミークラス症候群を疑えるかが問われています。

長時間同じ姿勢でいると下肢深部静脈血栓ができ、肺へ飛ぶと肺塞栓症を起こします。

解説

エコノミークラス症候群は、長時間座位や不動状態が続くことで下肢静脈に血栓ができ、それが肺動脈へ詰まって肺塞栓症を起こす病態です。

この症例では、震災後の車内生活という長時間座位の背景があります。下肢の痛みと腫れは深部静脈血栓症を疑う所見です。さらに胸痛、肩で息をする呼吸困難、頻脈、意識もうろうが出ており、肺塞栓症へ進展した可能性があります。

外傷歴がないため脂肪塞栓症候群やクラッシュ症候群は考えにくく、症状の組合せからエコノミークラス症候群が最も適切です。

施術現場での注意点
下肢腫脹に胸痛、呼吸困難、頻脈、意識障害が加わる場合は緊急性が高いです。マッサージや運動を促すのではなく、救急対応を優先します。

選択肢の確認

1.脂肪塞栓症候群
誤り。
脂肪塞栓症候群は大腿骨骨折など長管骨骨折後に起こりやすい病態です。この症例では外傷歴がなく、車内生活後の下肢腫脹と呼吸症状が中心です。

2.クラッシュ症候群
誤り。
クラッシュ症候群は長時間圧挫による筋壊死、ミオグロビン尿、急性腎障害、高カリウム血症などが問題になります。この症例の経過とは合いにくいです。

3.エコノミークラス症候群
正しい。
長時間の車内生活により下肢深部静脈血栓が形成され、肺塞栓症を起こした可能性があります。下肢痛・腫脹、胸痛、呼吸困難、頻脈、意識障害が重要です。

4.下腿コンパートメント症候群
誤り。
下腿コンパートメント症候群では、外傷や圧迫後に下腿の激痛、他動伸張痛、知覚障害、循環障害などがみられます。胸痛や呼吸困難を主症状とする病態ではありません。

覚えるポイント

  • 長時間座位や不動で深部静脈血栓症が起こる。
  • 血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症となり、胸痛、呼吸困難、頻脈を生じる。
  • 避難所や車中泊ではエコノミークラス症候群に注意する。
  • 下肢腫脹に呼吸症状が加わったら救急対応を考える。

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