33PM67|第33回 柔道整復師国家試験 過去問
76歳の女性。重い段ボールを持ったあとから右示指が屈曲しにくいことを主訴に来院した。手指屈曲時の写真を別に示す。考えられるのはどれか。

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正解: 4
正答
4.深指屈筋腱損傷
この問題のポイント
この問題では、手指を曲げたときの写真から、どの腱が障害されているかを判断します。
写真では、手指屈曲時に右示指の遠位部、特にDIP関節の屈曲が不十分にみえます。DIP関節を屈曲する主な腱は深指屈筋腱です。
したがって、示指のDIP関節が曲がりにくい所見から、深指屈筋腱損傷を考えます。
解説
手指の屈曲障害では、まずDIP関節とPIP関節のどちらが曲がらないかを見ます。
深指屈筋は、前腕深層から手指の末節骨底へ向かい、主にDIP関節を屈曲させます。そのため、深指屈筋腱が損傷すると、損傷した指のDIP関節を自動屈曲できなくなります。
一方、浅指屈筋は中節骨に停止し、主にPIP関節を屈曲させます。PIP関節は曲がるのにDIP関節が曲がらない場合は、浅指屈筋腱ではなく深指屈筋腱の損傷を疑います。
この症例では、重い段ボールを持ったあとから示指が屈曲しにくくなっています。高齢者では腱の変性や摩耗を背景に、強い把持動作をきっかけとして屈筋腱損傷が起こることがあります。
図で見るポイント
写真では、他の指と比べて示指の先端がしっかり曲がっているかを確認します。DIP関節が屈曲できない場合は、深指屈筋腱損傷を考えます。
ひっかけポイント
「指が曲がらない」という表現だけで浅指屈筋腱損傷と決めないことが大切です。PIP関節なら浅指屈筋腱、DIP関節なら深指屈筋腱と整理します。
選択肢の確認
1.側索損傷
誤り。
側索は伸筋機構の一部で、手指の伸展機構やボタン穴変形などに関係します。この症例のようなDIP関節の屈曲不全を主に説明する損傷ではありません。
2.伸筋腱損傷
誤り。
伸筋腱損傷では、手指を伸ばしにくい伸展障害が中心です。たとえばDIP関節の伸展不能では槌指を考えます。この症例は手指屈曲時の障害であり、屈筋腱損傷を考えます。
3.浅指屈筋腱損傷
誤り。
浅指屈筋腱は主にPIP関節を屈曲させます。写真と症状から問題になるのは示指DIP関節の屈曲不全であり、浅指屈筋腱損傷より深指屈筋腱損傷が適切です。
4.深指屈筋腱損傷
正しい。
深指屈筋腱は末節骨底に停止し、DIP関節を屈曲させます。示指のDIP関節が自動屈曲しにくい所見は、深指屈筋腱損傷を考える重要な手がかりです。
覚えるポイント
- 深指屈筋腱はDIP関節を屈曲します。
- 浅指屈筋腱はPIP関節を屈曲します。
- DIP関節の屈曲不能は深指屈筋腱損傷を疑います。
- 伸筋腱損傷では、屈曲障害ではなく伸展障害が中心です。
- 手指腱損傷は、どの関節が動かないかを見て判断します。
