119C043|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
マルチブラケット装置にアーチワイヤーを装着した口腔内写真(別冊No. 12)を別 に示す。 装着しているワイヤーの特徴として正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
提示されたアーチワイヤーは、弱い力を広い範囲で発揮するための高い弾性回復をもつワイヤーです。
解説
初期レベリングでは、大きくたわんでも永久変形しにくく、持続的で弱い矯正力を発揮するニッケルチタン合金ワイヤーが用いられます。ニッケルチタン合金は弾性限が大きく、スプリングバックに優れます。
相変態では、負荷によってオーステナイト相からマルテンサイト相へ変化する応力誘起マルテンサイト変態を考えます。
画像の確認
実画像では著しく叢生した上顎歯列の各ブラケットへ細い弾性ワイヤーが大きくたわんだ状態で結紮されている。大きな変形から元の形へ戻りながら弱い力を持続できるニッケルチタン系ワイヤーで、高い弾性回復をもつ。
選択肢の確認
a.非晶質である。
誤り。
ニッケルチタン合金は結晶構造をもつ金属材料で、非晶質ではありません。
b.溶接が可能である。
誤り。
ニッケルチタン合金は一般に溶接やろう付けが容易な材料ではありません。
c.高い弾性回復をもつ。
正しい。
大きくたわんでも元の形へ戻る高い弾性回復をもち、初期レベリングに適します。
d.熱処理硬化性を有する。
誤り。
熱処理硬化性はコバルトクロム合金などで問題になる性質で、本問のワイヤーの代表的特徴ではありません。
e.負荷によりオーステナイト相を生じる。
誤り。
超弾性ニッケルチタンでは負荷によりオーステナイト相からマルテンサイト相が生じます。
覚えるポイント
- ニッケルチタンワイヤーは高いスプリングバックをもちます。
- 初期レベリングでは弱く持続的な力が有利です。
- 負荷で生じるのは応力誘起マルテンサイトです。