117D051|第117回 歯科医師国家試験 過去問
架橋によって硬化する歯科材料の模式図を示す。 図の硬化機構を利用しているのはどれか。2 つ選べ。

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正解: b・c
正答
b、c
この問題のポイント
図は、二つのカルボキシ基のCOO-をカルシウムイオンが架橋して高分子鎖を結ぶ硬化機構を示します。
解説
アルジネート印象材では、可溶性アルジネートの高分子鎖がCa2+によって架橋され、不溶性のアルジネートゲルになります。グラスアイオノマーセメントでも、ポリアクリル酸のカルボキシ基がガラスから溶出したCa2+で初期架橋され、その後Al3+による架橋が進みます。
図はCaによるCOO-間のイオン架橋を明示しているため、この機構を利用するbとcが正答です。ポリカルボキシレートセメントも酸塩基反応で硬化しますが、主な架橋イオンは酸化亜鉛由来のZn2+であり、図のCa架橋とは異なります。
画像の確認
実画像では、別々の高分子鎖にあるカルボキシラート基がカルシウムイオンを介して架橋される模式図が描かれている。カルシウム架橋でゲル化するアルジネート印象材と、金属イオンによるポリアクリル酸架橋で硬化するグラスアイオノマーセメントが該当し、正答b・cに対応する。
選択肢の確認
a.歯科用石膏
誤り。歯科用石膏は半水石膏が水和して二水石膏結晶となり、結晶が成長・絡み合って硬化します。
b.アルジネート印象材
正しい。アルジネート高分子鎖のCOO-をCa2+が架橋し、弾性ゲルを形成します。
c.グラスアイオノマーセメント
正しい。グラスアイオノマーセメントではポリアクリル酸鎖がCa2+、続いてAl3+により架橋されます。
d.付加型シリコーンゴム印象材
誤り。付加型シリコーンゴム印象材はヒドロシリル化付加反応による共有結合性架橋で硬化します。
e.ポリカルボキシレートセメント
誤り。ポリカルボキシレートセメントでは主にZn2+がポリアクリル酸鎖を架橋し、図に明示されたCa架橋とは異なります。
覚えるポイント
- 図中のCOO-はポリカルボン酸系高分子の官能基。
- アルジネートとGICではCa2+架橋が硬化に関与する。
- 石膏は結晶成長、付加型シリコーンは付加反応で硬化する。