116A027|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科矯正学
ブラケットが装着された上顎中切歯と、装着予定のアーチワイヤーの矢状断面図 を示す。 装着後の歯の移動で増大するのはどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d
この問題のポイント
ブラケットスロットとアーチワイヤーの断面関係から、上顎中切歯に付与されるトルクと歯軸変化を読み取ります。
解説
角形アーチワイヤーをブラケットスロットへ装着すると、ワイヤーとスロットのねじれ関係によってトルクが発現します。本問の図では上顎中切歯の歯冠を唇側へ傾斜させる方向のモーメントが生じ、上顎中切歯歯軸傾斜角が増大します。
SNA角や上顎突出度は上顎骨の前後的位置を示す骨格性指標であり、単一歯の歯軸傾斜によって直接増大するものではありません。
画像の確認
実画像では、上顎中切歯のブラケットスロットに対し角形ワイヤーが回転した向きで挿入される矢状断模式図が示されている。このねじれによるトルクは歯冠を唇側へ傾斜させ、上顎中切歯歯軸傾斜角を増大させるため正答dを支える。
選択肢の確認
a.SNA 角
誤り。
SNA角は頭蓋底に対する上顎骨の前後的位置を示す骨格性指標で、上顎中切歯へのトルクだけでは増大しません。
b.ANB 角
誤り。
ANB角は上下顎骨の前後的関係を示すため、単一歯の歯軸変化を直接表しません。
c.上顎突出度
誤り。
上顎突出度は上顎骨の位置を評価する指標であり、上顎中切歯の傾斜変化とは区別します。
d.上顎中切歯歯軸傾斜角
正しい。
図のワイヤー装着により上顎中切歯が唇側傾斜し、上顎中切歯歯軸傾斜角が増大します。
e.上下顎中切歯歯軸傾斜角
誤り。
上下顎中切歯歯軸傾斜角は上下切歯歯軸が作る角で、上顎切歯の唇側傾斜では一般に小さくなる方向です。
覚えるポイント
- 角形ワイヤーとブラケットでトルクを発現させます。
- 単一歯の歯軸変化と骨格性計測値を区別します。
- 上顎切歯唇側傾斜では上顎中切歯歯軸傾斜角が増大します。