115A019|第115回 歯科医師国家試験 過去問
全身管理医学・全身疾患
終末期の高齢者に対する口腔健康管理の目的はどれか。 1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
終末期の口腔健康管理では、機能回復を最大化することよりも、苦痛の軽減、清潔保持、感染予防、安全な療養を優先します。
解説
終末期の高齢者では、嚥下機能の低下、口腔乾燥、セルフケア困難、免疫力低下などにより、口腔内細菌を含む唾液や分泌物を誤嚥しやすくなります。
口腔清掃によって歯、義歯、舌、粘膜の細菌量を減らし、口腔内を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎のリスク低減につながります。さらに、口腔乾燥、口臭、疼痛、不快感の軽減にも重要です。
全身管理上の注意点
患者の負担を最小限にし、呼吸状態、意識、嚥下機能に配慮して、短時間・低刺激で安全に行います。
選択肢の確認
a.咬合力の増大
誤り。
咬合力を高めることが有益な場合はありますが、終末期の口腔健康管理における最優先の目的ではありません。
b.咬合高径の維持
誤り。
義歯や補綴治療では咬合高径が重要ですが、終末期では患者の全身状態と負担を考慮し、感染予防や苦痛軽減を優先します。
c.誤嚥性肺炎の予防
正しい。
口腔内細菌を減らし、汚染された唾液や分泌物を誤嚥した際の肺炎リスクを低減することが重要な目的です。
d.セルフケアの確立
誤り。
終末期には身体機能や認知機能の低下によりセルフケアが困難なことが多く、介助者による口腔健康管理が中心になります。
e.口腔自浄作用の向上
誤り。
唾液や舌・頰の運動による自浄作用は重要ですが、終末期に十分な改善が期待できるとは限りません。専門的・介助的清掃で補うことが必要です。
覚えるポイント
- 終末期の口腔健康管理では誤嚥性肺炎の予防、苦痛軽減、清潔保持を重視します。
- 口腔清掃は口腔内細菌を減らし、肺炎リスク低減に寄与します。
- 患者の負担と呼吸・嚥下状態に配慮して行います。