39AM77|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
図の中空糸が 15000 本平行に束ねられてハウジングに詰められているダイアライザのプライミングボリューム[mL]に最も近いのはどれか。 ただし、プライミングボリュームはダイアライザの全中空糸内容量と等しいとする。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、中空糸型ダイアライザのプライミングボリュームを、円柱の体積として計算します。
図では、1本の中空糸について次の値が示されています。
- 内径:200 μm
- 長さ:22 cm
- 本数:15000 本
プライミングボリュームは、問題文より全中空糸の内容量と等しいとします。
したがって、1本の中空糸内腔の体積を求め、それに 15000 本を掛けます。
解説
中空糸の内腔は、細い円柱として考えます。
円柱の体積は次の式で求めます。
- 体積 = 断面積 × 長さ
- 断面積 = π × 半径^2
図で見るポイント
図中の 200 μm は中空糸の内径です。体積計算で使うのは半径なので、内径を2で割ります。
図中の 22 cm は中空糸の長さです。
計算の流れ
まず、内径を cm に変換します。
- 1 μm = 10^-4 cm
- 200 μm = 200 × 10^-4 cm
- 200 μm = 2.0 × 10^-2 cm
半径は内径の半分です。
- 半径 r = 1.0 × 10^-2 cm
1本の中空糸の断面積は、
- 断面積 = π × r^2
- 断面積 = 3.14 × (1.0 × 10^-2)^2
- 断面積 = 3.14 × 10^-4 cm^2
長さは 22 cm なので、1本あたりの内容量は、
- 1本の体積 = 3.14 × 10^-4 × 22
- 1本の体積 = 6.908 × 10^-3 cm^3
中空糸は 15000 本あるため、全中空糸内容量は、
- 全体積 = 6.908 × 10^-3 × 15000
- 全体積 = 103.62 cm^3
ここで、
- 1 cm^3 = 1 mL
なので、
- 全体積 = 約104 mL
選択肢の中で最も近いのは 100 mL です。
ひっかけポイント
200 μm を半径として使うと、体積が4倍になってしまいます。図の 200 μm は内径なので、半径は 100 μm です。
血液浄化療法での注意点
プライミングボリュームは、体外循環中に回路やダイアライザ内へ入る血液量に関係します。小児や循環血液量が少ない患者では、プライミング量が循環動態に与える影響が大きくなるため注意します。
選択肢の確認
1.誤り。
50 mL は計算値の約104 mLより小さすぎます。中空糸内径、長さ、本数を用いて計算すると、約100 mLになります。
2.誤り。
70 mL も計算値より小さい値です。1本あたりの内容量は約0.0069 mLであり、15000本では約104 mLになります。
3.正しい。
内径 200 μm、長さ 22 cm の中空糸が 15000 本あるため、全中空糸内容量は約104 mLです。最も近い選択肢は 100 mL です。
4.誤り。
200 mL は計算値の約2倍です。直径と半径の扱い、または単位換算を誤ると大きめの値になりやすいため注意します。
5.誤り。
300 mL は大きすぎます。中空糸内腔のみの体積を計算する条件では、約100 mLが妥当です。
覚えるポイント
- 中空糸の内容量は、円柱の体積として計算する。
- 円柱の体積は π × 半径^2 × 長さで求める。
- 図の 200 μm は内径なので、半径は 100 μmである。
- 1 μm = 10^-4 cm、1 cm^3 = 1 mL である。
- 1本の中空糸内容量に本数を掛けて、全中空糸内容量を求める。
- この問題では、計算値は約104 mLであり、最も近い選択肢は100 mLである。