37AM75|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
血液透析によって補助される腎臓の機能として正しいのはどれか。 a.酸の排泄 b.過剰な体液の除去 c.アミノ酸の再吸収 d.貧血の改善 e.ビタミン D の活性化
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、血液透析で補助できる腎機能と、補助しにくい腎機能の区別が問われています。
血液透析が主に補助するのは、次の機能です。
- 尿毒素や酸の除去
- 過剰な水分の除去
- 電解質異常の補正
正しい小項目は、aとbです。
解説
腎臓の機能には、大きく分けて次のようなものがあります。
- 老廃物の排泄
- 酸塩基平衡の調節
- 水分量の調節
- 電解質の調節
- 内分泌機能
- 尿細管での再吸収
血液透析では、半透膜を介して血液と透析液を接触させ、拡散と限外濾過により物質と水分を移動させます。
酸の排泄は、血液透析によって補助されます。透析液中の重炭酸などにより、代謝性アシドーシスの改善が期待できます。
過剰な体液の除去も、血液透析の重要な役割です。限外濾過により余分な水分を除去し、浮腫、高血圧、心不全の改善につなげます。
一方、アミノ酸の再吸収は腎尿細管の働きであり、血液透析が補助する機能ではありません。むしろ透析では一部のアミノ酸が失われることがあります。
腎性貧血は、腎臓でのエリスロポエチン産生低下が主因です。血液透析そのものが貧血を直接改善するのではなく、ESA製剤や鉄補充などで治療します。
ビタミンDの活性化も腎臓の内分泌機能です。血液透析では補助できないため、活性型ビタミンD製剤などで補います。
血液浄化療法での注意点
血液透析は「除去」と「補正」が得意です。一方で、腎臓の内分泌機能や尿細管の再吸収機能は透析だけでは代行できません。薬物治療や栄養管理と組み合わせて管理します。
選択肢の確認
1.正しい。
選択肢1はa、bの組合せです。酸の排泄と過剰な体液の除去はいずれも血液透析によって補助される腎機能です。
2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。aは正しいですが、eが不適切です。ビタミンDの活性化は腎臓の内分泌機能であり、血液透析では補助できません。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。bは正しいですが、cが不適切です。アミノ酸の再吸収は尿細管機能であり、血液透析で補助する機能ではありません。
4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。どちらも血液透析で直接補助される機能としては不適切です。貧血の改善にはエリスロポエチン製剤や鉄補充などが必要です。
5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。貧血改善とビタミンD活性化は、腎臓の内分泌機能に関係しますが、血液透析そのものでは補助できません。
覚えるポイント
- 血液透析は、老廃物、酸、過剰水分、電解質異常の補正に有用です。
- 酸の排泄は透析で補助できます。
- 過剰な体液は限外濾過で除去します。
- 貧血改善には、エリスロポエチン製剤や鉄補充が必要です。
- ビタミンD活性化やアミノ酸再吸収は、透析では代行できません。