39AM42|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
JIS T 0601-1 で規定されている図の漏れ電流測定用器具(MD)について正しいのはどれか。

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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、JIS T 0601-1で規定される漏れ電流測定用器具 MDの回路構成が問われています。
図では、左側が測定対象に接続される端子、右側が電圧測定器です。回路中のR₁ と C₁に注目すると、抵抗とコンデンサによる周波数特性をもつ回路であることが分かります。
図で見るポイント
R₁ は上側の線路に直列に入っており、C₁ は電圧測定器と並列に下側線路へ接続されています。出力を C₁ の両端から取り出すため、R₁ と C₁ は高周波成分を減衰させる高域遮断フィルタとして働きます。
解説
漏れ電流測定用器具 MDは、ME機器から流れる漏れ電流を、人体への影響を考慮した形で評価するための測定用ネットワークです。
図の回路では、次の構成が重要です。
- R₁:10 kΩ
- R₂:1 kΩ
- C₁:0.015 μF
- 電圧測定器の入力インピーダンス:1 MΩ以上
- 電圧測定器の入力容量:150 pF以下
R₁ と C₁ は、R₁ が直列、C₁ が測定端子側で並列に入る形になっています。これは、出力をコンデンサ C₁ の両端で見る低域通過フィルタです。
低域通過フィルタは、高い周波数成分を通しにくくするため、別の言い方では高域遮断フィルタといいます。
遮断周波数は、おおよそ次の関係で表されます。
- f = 1 / (2π × R₁ × C₁)
R₁ = 10 kΩ、C₁ = 0.015 μF を用いると、遮断周波数は約1 kHzになります。
このMDは、単に電流をそのまま測るだけでなく、人体への電撃作用を考慮して周波数特性をもたせている点が重要です。
ひっかけポイント
「高域遮断フィルタ」と「低域通過フィルタ」は表現が違いますが、意味は対応しています。高い周波数を遮断し、低い周波数を通しやすい回路です。
選択肢の確認
1.正しい。
R₁ は直列抵抗、C₁ は電圧測定器と並列に接続されたコンデンサです。出力を C₁ の両端で測るため、R₁ と C₁ は高周波成分を減衰させる高域遮断フィルタを構成します。
2.誤り。
R₂ の抵抗値は10 kΩではなく 1 kΩです。10 kΩはR₁の値です。R₁ と R₂ の数値を入れ替えないように注意します。
3.誤り。
電圧測定器の入力インピーダンスは100 kΩではなく 1 MΩ以上です。入力インピーダンスが十分に高いことで、MD回路に余分な電流を流しにくくし、測定値への影響を小さくします。
4.誤り。
電圧測定器の入力容量は150 μFではありません。規定される入力容量は150 pF以下です。μF と pF では大きさが大きく異なるため、単位のひっかけに注意します。
5.誤り。
漏れ電流値は、電圧測定器で測定した電圧をR₁ではなく R₂、すなわち 1 kΩで除して求めます。したがって、1 V と測定された場合は、1 V / 1 kΩ = 1 mA と評価します。
覚えるポイント
- MDは、漏れ電流を人体への影響を考慮して測定するための測定用器具である。
- 図のR₁ と C₁は、高周波成分を減衰させる高域遮断フィルタを構成する。
- R₁ = 10 kΩ、R₂ = 1 kΩ、C₁ = 0.015 μFを押さえる。
- 電圧測定器は、入力インピーダンス 1 MΩ以上、入力容量 150 pF以下が重要である。
- 漏れ電流値は、電圧測定値を1 kΩで除して求める。
- ME機器安全管理では、漏れ電流の種類だけでなく、測定に用いるMDの構成と周波数特性も確認する。