39AM41第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

ME安全管理学電撃・漏れ電流・医用電気設備マクロ/ミクロショック・装着部・JIS T 1022・非接地配線

ME 機器の患者漏れ電流で直流の許容値が規定される主な理由はどれか。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、ME機器の患者漏れ電流において、なぜ直流成分にも許容値が定められているのかが問われています。

ポイントは、直流電流による危険を「感電しやすさ」だけで考えないことです。

直流では、電極や体液との接触部で電気分解が起こり、化学的な組織損傷につながるおそれがあります。

解説

患者漏れ電流とは、ME機器の患者装着部から患者を介して流れる意図しない電流です。

漏れ電流には交流成分と直流成分があり、それぞれ生体への影響が異なります。

交流、特に商用周波数付近の電流では、心筋刺激や電撃の危険が重要になります。一方、直流電流では、持続的に同じ向きに電荷が移動するため、電極と生体組織の接触部で化学反応が起こりやすくなります。

具体的には、体液中のイオンが移動し、電極周囲で電気分解が生じます。その結果、局所的なpH変化、ガス発生、金属イオンの溶出、組織の化学的損傷などが問題になります。

そのため、患者漏れ電流では、直流成分についても許容値が規定されています。

ひっかけポイント
直流の許容値がある理由を、単純に「交流より感電しやすいから」と考えると誤りです。直流では、電気分解による組織損傷が重要な理由になります。


選択肢の確認

1.誤り。
直流は、一般に商用周波数の交流よりも感電閾値が低いから規定されているわけではありません。ME機器の患者漏れ電流で直流成分を管理する主な理由は、感電閾値ではなく電気分解による局所組織損傷です。

2.誤り。
ミクロショックは、心臓内や心臓近傍に直接電流が流れることで、非常に小さな電流でも心室細動などを起こし得る現象です。ミクロショック対策として漏れ電流の管理は重要ですが、直流許容値が規定される主な理由としては、電気分解による組織損傷の方が適切です。

3.誤り。
F形装着部は、患者装着部を接地から浮かせる構造により、患者を介した漏れ電流を低減する目的の装着部です。直流が交流よりもF形装着部を通過しやすいから許容値が規定されているわけではありません。

4.正しい。
直流電流が患者装着部から生体へ持続的に流れると、電極と体液の接触部で電気分解が生じるおそれがあります。これにより、局所的な化学変化や組織損傷を起こす可能性があるため、患者漏れ電流では直流の許容値も規定されます。

5.誤り。
内部バッテリーで動作するME機器が存在すること自体は事実ですが、それが直流患者漏れ電流の許容値を規定する主な理由ではありません。問題の中心は、直流電流が生体組織に及ぼす電気化学的作用です。

覚えるポイント

  • 患者漏れ電流は、患者装着部を介して患者に流れる意図しない電流である。
  • 交流では、心筋刺激や電撃の危険が重要になる。
  • 直流では、持続的な電荷移動により電気分解が起こりやすい。
  • 直流患者漏れ電流の許容値が規定される主な理由は、電気分解による組織損傷の防止である。
  • 漏れ電流の問題では、「どこを流れる電流か」「交流か直流か」「患者装着部の種類は何か」を分けて考える。

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