39AM39|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
電撃に関する閾値で誤っているのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、電撃に関する代表的な閾値が問われています。
重要なのは、ミクロショックとマクロショックを区別することです。
この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。記述として誤っている 1 が正答です。
解説
電撃の危険性は、電流の大きさだけでなく、電流の通り道、周波数、通電時間、接触状態、皮膚抵抗などによって変わります。
臨床工学技士国家試験では、代表値として次のように整理します。
- 手で触れて感じる最小の商用交流電流:約 1 mA
- 電線を握った手が自分で離脱困難となる商用交流電流:約 10 mA
- マクロショックで心室細動を生じる商用交流電流:約 100 mA
- ミクロショックで心室細動を生じる商用交流電流:約 100 μA
- 電撃閾値が変化し始める周波数:約 1 kHz
マクロショックは、体表から体内へ電流が流れる電撃です。皮膚抵抗があるため、心室細動を起こすには比較的大きな電流が必要です。代表値として 100 mA 程度を押さえます。
ミクロショックは、心臓に留置されたカテーテルや電極などを介して、心臓へ直接に近い形で電流が流れる場合の電撃です。皮膚抵抗による保護が期待できないため、非常に小さな電流でも心室細動の危険があります。
ただし、ミクロショックで心室細動を生じる代表値は 10 nA ではありません。国家試験上は 100 μA 程度として覚えます。
単位の違いにも注意します。
- 1 μA = 1,000 nA
- 100 μA = 100,000 nA
したがって、10 nA は 100 μA と比べて非常に小さく、この記述は誤りです。
ひっかけポイント
ミクロショックはマクロショックより小さい電流で危険ですが、10 nA ではありません。単位の nA、μA、mA を混同しないことが重要です。
ME機器管理での注意点
心臓カテーテル、ペースメーカリード、体内電極などがある患者では、ミクロショック対策が重要です。患者漏れ電流、保護接地、等電位接地、機器の点検を確認します。
選択肢の確認
1.正答。記述としては誤り。
ミクロショックで心室細動を生じる商用交流電流は、代表値として 100 μA 程度を押さえます。10 nA は小さすぎるため、この記述は誤りです。
2.記述としては正しい。
マクロショックで心室細動を生じる商用交流電流は、代表値として 100 mA 程度です。体表から電流が流れるため、皮膚抵抗の影響を受けます。
3.記述としては正しい。
手で触れて感じる最小の商用交流電流は、代表値として 1 mA 程度です。これを最小感知電流として押さえます。
4.記述としては正しい。
電線を握った手が自分で離脱困難となる商用交流電流は、代表値として 10 mA 程度です。筋収縮により自力で離れにくくなるため危険です。
5.記述としては正しい。
電撃閾値が変化し始める周波数は、代表値として 1 kHz 程度です。低周波では神経や筋の刺激が問題になり、高周波になると刺激作用よりも発熱作用が問題になります。
覚えるポイント
- マクロショックは体表から流れる電撃です。
- ミクロショックは心臓へ直接に近い経路で流れる電撃です。
- 最小感知電流は 約 1 mA です。
- 離脱困難電流は 約 10 mA です。
- マクロショックによる心室細動は 約 100 mA です。
- ミクロショックによる心室細動は 約 100 μA です。
- 10 nA はミクロショックの心室細動閾値としては小さすぎます。