38AM77|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
図に示す中空糸膜が 10000 本、平行に束ねられてハウジングに詰められているダイアライザでは全中空糸内容量が約 70 mL である。血流量が 200 mL/min のとき、血液が中空糸の内側を通過するおよその平均時間[s]はどれか。 ただし、膜を介した血液成分の移動は無視できるものとする。

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、ダイアライザ内の血液の平均通過時間を求めます。
考え方はとても基本的です。
- 通過時間 = 内容量 ÷ 流量
問題文ですでに全中空糸内容量が約 70 mLと与えられているので、あとは血流量 200 mL/min を秒あたりに直して計算します。
図で見るポイント
図では、中空糸の内径が 200 μm、長さが 22 cm、膜厚が 30 μm と示されています。血液は中空糸の内側を流れます。問題では全中空糸内容量が約 70 mL と与えられているため、計算の中心はこの 70 mL を使うことです。
解説
血液がダイアライザ内を通過する平均時間は、ダイアライザ内に存在する血液量を、1秒あたりに流れる血液量で割れば求められます。
使う式は次のとおりです。
- 通過時間 = 内容量 ÷ 流量
まず、与えられている値を整理します。
- 全中空糸内容量 = 70 mL
- 血流量 = 200 mL/min
このままでは時間の単位が分なので、秒に直します。
- 200 mL/min = 200 ÷ 60 mL/s
- 200 mL/min ≒ 3.33 mL/s
次に、通過時間を求めます。
- 通過時間 = 70 mL ÷ 3.33 mL/s
- 通過時間 ≒ 21 s
およその値なので、最も近いのは20 sです。
したがって正答は2です。
図の値から内容量が約 70 mL であることも確認できます。
中空糸1本あたりの内径は 200 μm なので、半径は 100 μm です。
- 100 μm = 0.01 cm
1本あたりの断面積は、
- 断面積 = πr^2
- 断面積 = π × 0.01^2
- 断面積 ≒ 3.14 × 10^-4 cm^2
長さは 22 cm なので、1本あたりの内容積は、
- 1本の内容積 = 断面積 × 長さ
- 1本の内容積 ≒ 3.14 × 10^-4 × 22
- 1本の内容積 ≒ 6.9 × 10^-3 cm^3
- 1本の内容積 ≒ 0.0069 mL
これが 10000 本あるので、
- 全内容量 ≒ 0.0069 × 10000
- 全内容量 ≒ 69 mL
約 70 mL と一致します。
計算の流れ
- 全中空糸内容量 70 mL を確認する
- 血流量 200 mL/min を mL/s に変換する
- 内容量 ÷ 流量 で通過時間を求める
- 約 21 s なので最も近い 20 s を選ぶ
ひっかけポイント
流量の単位が mL/min のままだと答えの単位が分になります。問題は秒を聞いているので、1分 = 60秒の換算を忘れないことが重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
10 s では短すぎます。70 mL を 200 mL/min で割ると 0.35 分であり、秒に直すと約 21 s です。
2.正しい。
全中空糸内容量 70 mL、血流量 200 mL/min より、通過時間は約 21 s です。最も近いのは 20 s です。
3.誤り。
30 s では長すぎます。単位換算を誤ると選びやすい値ですが、正しくは約 21 s です。
4.誤り。
40 s にはなりません。流量 200 mL/min は毎秒約 3.33 mL なので、70 mL を通過するには約 21 s です。
5.誤り。
60 s は 1分ですが、70 mL の内容量に対して流量は 200 mL/min あるため、1分もかかりません。
覚えるポイント
- 平均通過時間は、内容量 ÷ 流量で求めます。
- 血流量が mL/min で与えられたら、必要に応じて mL/s に直します。
- この問題では、70 mL ÷ 200 mL/min = 0.35 分です。
- 0.35 分 = 21 秒なので、最も近い選択肢は 20 秒です。
- ダイアライザ問題では、内容量、血流量、単位換算を落ち着いて確認することが大切です。