8PM153第8回 公認心理師国家試験 過去問

教育領域-06 スクールカウンセリング・教育相談

23歳の女性A、学校教員。初めての小学5年生の担任を4月から務めている。仕事がつらく、辞めたいと訴え、スクールカウンセラーとの面接を希望した。Aによると、一貫して児童に高い目標を与え、授業では様々な工夫をしていた。当初、児童たちもAの期待に応えようと努力していたが、Aの指導方法が受け入れられなかったためか、徐々に反抗的な態度を示すようになった。2学期に入り、一部の児童が授業中に立ち歩きをしたり、騒いだりし始め、授業の継続が困難になった。この頃からAは、遅刻が増え、授業の準備が不十分であったり、児童の相手をすることが面倒に思えてきたりしているという。 ``` この状況から考えられるAの心理状態として、適切なものを2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: 1・4


## 正答

1、4

## この問題のポイント

この問題では、初任教員が理想と現実のギャップに直面し、意欲低下や対人援助への疲弊を示している状況から、**バーンアウト**と**リアリティ・ショック**を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「初めての担任」「高い目標」「指導方法が受け入れられない」「仕事がつらく辞めたい」「児童の相手が面倒」です。

## 解説

Aは23歳の初任に近い学校教員で、小学5年生の担任を初めて務めています。高い目標を掲げ、授業にも工夫していましたが、児童が徐々に反抗的になり、2学期には立ち歩きや騒ぎで授業継続が困難になっています。

これは、仕事に対する理想や期待と、実際の職場・児童対応の現実との大きなギャップに直面している状態です。このような状態は**リアリティ・ショック**として理解できます。

さらに、Aは仕事がつらく辞めたいと訴え、遅刻が増え、授業準備が不十分になり、児童の相手を面倒に感じています。これは、対人援助職にみられる**バーンアウト**の特徴と関係します。バーンアウトでは、情緒的消耗、脱人格化、個人的達成感の低下がみられます。

本事例では、児童への関わりが負担になり、相手をすることが面倒になっている点が、バーンアウトの脱人格化や情緒的消耗を示唆します。

> 教育領域のポイント
> 若手教員の支援では、本人の努力不足と決めつけず、学級経営の困難、理想と現実のギャップ、孤立、支援体制の不足を確認します。

## 選択肢の確認

1.バーンアウト
判定:正しい。
Aは仕事がつらく辞めたいと感じ、遅刻や準備不足が増え、児童の相手を面倒に感じています。対人援助職の情緒的消耗や脱人格化として、バーンアウトが考えられます。

2.ユーストレス
判定:誤り。
ユーストレスは、成長や達成につながる適度で有益なストレスです。Aは仕事を辞めたいほどつらく、授業準備や児童対応に支障が出ているため、ユーストレスとはいえません。

3.アレキシサイミア
判定:誤り。
アレキシサイミアは、自分の感情を認識したり表現したりすることが乏しい状態です。Aは仕事がつらい、辞めたいと訴えており、感情認識の乏しさが中心ではありません。

4.リアリティ・ショック
判定:正しい。
Aは高い理想や工夫を持って担任を始めましたが、児童の反抗や学級経営の困難に直面しています。理想と現実のギャップによる衝撃としてリアリティ・ショックが考えられます。

5.ネガティブ・スピルオーバー
判定:誤り。
ネガティブ・スピルオーバーは、職場のストレスが家庭生活へ悪影響を及ぼすなど、ある領域の否定的影響が別領域に波及することです。本事例では家庭への波及は示されていません。

## 覚えるポイント

* **バーンアウト**は、情緒的消耗、脱人格化、個人的達成感の低下が特徴です。
* **リアリティ・ショック**は、期待や理想と現実のギャップによる衝撃です。
* 初任者支援では、個人の問題だけでなく、職場のサポート体制と学級状況を確認します。

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