8AM63|第8回 公認心理師国家試験 過去問
心理療法・心理支援-12 子ども・保護者支援:ペアトレ・生活場面面接
37 歳の女性A、小学3年生の男児Bの保護者。Bの行動について学校から連絡があり、教育相談センターで相談するように勧められ、公認心理師が面接した。Aによると、Bは、幼少期から片付けが苦手で、部屋を散らかし、落ち着いて座っていられず、騒ぐことが多い。小学1年生の妹に手をあげることもある。それらの行動を注意しても従わないため、Aは大声で叱っているが、Bの行動に改善はみられない。AはBを叱責することが多くなると自分自身を責め、養育に自信を失いがちである。 ``` 教育相談センターが提案する対応として、最も適切なものを1つ選べ。
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正解: 4
## 正答
4
## この問題のポイント
この問題では、子どもの行動上の困難と保護者の養育困難に対して、**ペアレント・トレーニング**を提案できるかが問われています。
事例のキーワードは、「片付けが苦手」「落ち着いて座っていられない」「騒ぐ」「妹に手をあげる」「大声で叱っても改善しない」「保護者が自信を失っている」です。
## 解説
**ペアレント・トレーニング**は、子どもの行動を理解し、保護者がより効果的な関わり方を学ぶための支援です。
子どもの困った行動を叱責だけで変えようとすると、親子双方のストレスが高まり、行動が改善しにくくなることがあります。ペアレント・トレーニングでは、子どもの行動を観察し、望ましい行動を見つけて具体的にほめる、指示を分かりやすくする、環境を調整する、問題行動への対応を一貫させるなどを学びます。
本事例では、Bには多動性や衝動性、不注意に関連するような行動がみられ、Aは叱責が増え、自分を責めて養育に自信を失っています。したがって、Aが子どもの行動を理解し、具体的な対応方法を身につけるペアレント・トレーニングが最も適切です。
> 教育・福祉領域のポイント
> ペアレント・トレーニングは、親を責める支援ではありません。保護者が子どもの行動を理解し、関わり方の選択肢を増やすための支援です。
## 選択肢の確認
1.CRAFT
判定:適切とはいえない。
CRAFTは、アルコールや薬物などの依存問題を抱える人の家族に対して、本人が治療につながるよう支援する方法です。本事例の主題は児童の行動と養育支援であり、ペアレント・トレーニングが適切です。
2.TEACCH
判定:適切とはいえない。
TEACCHは、自閉スペクトラム症のある人に対して、構造化された環境や視覚的支援を用いる支援プログラムです。本事例ではASDの特徴よりも、行動面と養育対応が中心であり、ペアレント・トレーニングが適切です。
3.JASPER プログラム
判定:適切とはいえない。
JASPERは、自閉スペクトラム症の幼児などに対して、共同注意、象徴遊び、関わりを促す介入です。本事例の小学3年生Bの行動問題と保護者支援には、ペアレント・トレーニングが最も適切です。
4.ペアレント・トレーニング
判定:最も適切。
保護者が子どもの行動を理解し、望ましい行動の強化、具体的な指示、環境調整、一貫した対応を学ぶ支援です。Aの養育困難とBの行動上の課題に適しています。
5.アサーション・トレーニング
判定:適切とはいえない。
アサーション・トレーニングは、自分の気持ちや考えを相手を尊重しながら表現する練習です。保護者の自己表現支援として有用な場合はありますが、本事例で最も適切な対応はペアレント・トレーニングです。
## 覚えるポイント
* **ペアレント・トレーニング**は、保護者が子どもへの効果的な関わりを学ぶ支援です。
* 叱責を増やすのではなく、望ましい行動を見つけて強化します。
* 子どもの行動改善と保護者の養育自信の回復を同時に支えます。