7AM61|第7回 公認心理師国家試験 過去問
8 歳の男児A、小学2 年生。Aは、「先生の話が分からない」、「学校が嫌い」と話し、授業中に他児に話しかけることや、立ち歩きも多かった。心配した保護者と担任教師はスクールカウンセラーBに相談し、Bの紹介で、Aは教育相談センターで心理検査を受けることになった。教育相談センターに勤務する公認心理師Cは、Bから、「検査の結果は、今後の学校におけるAの支援に役立てたい」という申し送りを受け、AにWISC-V を実施した。 Cが実施するアセスメント・フィードバックとして、最も適切なものを1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、WISC-V のアセスメント・フィードバックと、検査結果の取扱いに関する倫理的配慮が問われています。
事例のポイントは、8歳のAが学校で困り感を示しており、検査結果を今後の学校支援に役立てる目的でWISC-Vが実施されたことです。
解説
WISC-Vの結果をフィードバックするときは、全検査IQや指標得点だけを伝えるのではなく、下位検査得点、検査中の行動観察、本人の困り感、学校生活での様子を合わせて総合的に説明することが重要です。
Aは「先生の話が分からない」「学校が嫌い」と話し、授業中の立ち歩きや他児への話しかけもみられています。したがって、検査結果は単なる数値ではなく、Aがどのような情報処理を得意・不得意としているか、授業場面でどのような支援が必要かにつなげて説明する必要があります。
また、フィードバックは、本人、保護者、学校関係者など、相手の立場と理解度に応じて内容や表現を調整します。8歳であっても、本人に理解できる言葉で強みや困りごと、支援の見通しを伝えることが大切です。
心理アセスメントのポイント
検査結果は、数値だけで判断しません。下位検査、行動観察、主訴、生活場面の情報を統合し、支援につながる形で返します。
公認心理師としての注意点
検査結果の共有には、本人・保護者への説明と同意、情報共有の範囲、検査用紙や記録の取扱いへの配慮が必要です。
選択肢の確認
1.アセスメントの結果は、まず紹介元であるBに送付する。
判定:適切とはいえない。
紹介元であるスクールカウンセラーBに結果を共有する場合でも、本人や保護者への説明、同意、共有範囲の確認が必要です。まず紹介元へ送付するという対応は、秘密保持や個人情報保護の観点から適切とはいえません。
2.年齢を考慮し、A自身へのアセスメント・フィードバックは避ける。
判定:適切とはいえない。
Aは8歳であり、発達段階に応じた説明が可能です。本人に分かる言葉で、得意なこと、困りやすいこと、支援の方法を伝えることは、自己理解や安心感につながります。年齢だけを理由に本人へのフィードバックを避けるのは適切ではありません。
3.アセスメント・フィードバックの内容は、伝える相手によって変えず、同一にする。
判定:適切とはいえない。
本人、保護者、学校関係者では、必要な情報、理解度、支援上の役割が異なります。内容の核は一貫させつつ、伝え方や重点は相手に応じて調整する必要があります。
4.下位検査得点や行動観察も含めた結果を基に、アセスメント・フィードバックを行う。
判定:最も適切。
WISC-Vでは、全体的な数値だけでなく、下位検査得点や検査中の行動観察を含めて総合的に理解します。Aの学校生活での困難や支援方針につなげるためにも、最も適切な対応です。
5.保護者にアセスメント・フィードバックを行う際は、Aの検査記録用紙の複写を資料として付ける。
判定:適切とはいえない。
検査記録用紙には、検査項目、反応、採点情報など、検査の安全性や機密性に関わる内容が含まれます。保護者への説明には、分かりやすく整理した報告書や口頭説明を用いるべきであり、記録用紙の複写をそのまま付けることは不適切です。
覚えるポイント
- WISC-Vのフィードバックは、下位検査得点、行動観察、生活場面の情報を統合して行います。
- 子ども本人にも、発達段階に応じて分かりやすく説明します。
- 検査記録用紙や検査内容の取扱いには、検査の機密性と倫理的配慮が必要です。