37Q75|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、利用者と家族の意向が異なるとき、家族とのコミュニケーションにおいて介護福祉職が留意すべき点として、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.家族と話す機会を別に設ける。
この問題のポイント
利用者と家族の意向が異なる場合でも、どちらか一方にすぐ決定を委ねたり、説得したりしてはいけません。
利用者本人の自己決定を中心にしながら、家族にも個別に話せる機会を設け、意向が異なる背景や家族の心配、介護負担などを丁寧に把握します。
解説
利用者と家族の意向が異なるときは、同席した場だけでは双方が本音を話せないことがあります。家族が利用者に遠慮して不安や負担を話せなかったり、反対に利用者が家族の前では自分の希望を言えなかったりするためです。
そこで、家族と話す機会を別に設け、家族の意向、その理由、生活上の事情、介護負担、不安などを丁寧に聴き取ります。同時に、利用者本人の意向は本人から直接確認し、利用者と家族の意向を混同しないことが大切です。
個別に話を聴くことは、家族だけに支援方針を決めてもらうことではありません。得られた情報を踏まえ、本人の自己決定を尊重しながら、必要に応じて多職種と連携し、双方が納得できる支援方法を検討します。本人と家族のプライバシーにも配慮し、情報を共有するときは目的と範囲を確認します。
ひっかけポイント
家族を大切にすることと、家族に決定を委ねることは異なります。家族の意向は重要な情報ですが、支援の中心は利用者本人です。
介護実践でのポイント
「本人は何を望んでいるか」「家族は何を心配しているか」を分けて聴き取ります。意見の違いを勝ち負けにせず、その背景にある希望、負担、安全面の心配などを整理して合意形成を支えます。
選択肢の確認
1.家族に支援方針を決めてもらう。
誤りです。 支援方針を家族だけに決めてもらうと、利用者本人の自己決定が置き去りになるおそれがあります。家族の意向も確認しながら、本人の意思や選好を中心に検討します。
2.家族を通して利用者の意向を聴き取る。
誤りです。 利用者が意思を表明できる場合は、まず本人から直接聴き取ります。家族から得られる生活歴や日頃の様子は重要ですが、家族の解釈をそのまま本人の意向とみなしてはいけません。
3.家族と話す機会を別に設ける。
正しいです。 家族が利用者の前では話しにくい心配や介護負担を表明できるよう、別に話す機会を設けます。本人の意向も別に直接確認し、それぞれの意向と背景を整理して調整につなげます。
4.家族にカウンセリングを行うことを意識する。
誤りです。 家族の気持ちを傾聴し、必要な支援につなぐことは重要ですが、この場面の目的をカウンセリングの実施と捉えるのは適切ではありません。まずは家族の意向と、その背景を丁寧に把握します。
5.家族を説得する。
誤りです。 説得によって介護福祉職の考える結論を一方的に受け入れさせようとすると、家族との信頼関係を損なう可能性があります。家族の考えを否定せず、理由や不安を聴き、対話によって調整します。
覚えるポイント
- 利用者と家族の意向は、それぞれ分けて丁寧に聴き取る。
- 支援の中心は利用者本人であり、家族だけに決定を委ねない。
- 家族にも本音を話せる個別の機会を設ける。
- 説得ではなく、意向の背景を理解する対話と合意形成を重視する。
- 必要に応じて多職種で情報を共有し、支援方法を検討する。