37Q35|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、加齢に伴う感覚機能の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.暗順応の時間が延長する。
この問題のポイント
加齢によって、視覚、聴覚、皮膚感覚、味覚、嗅覚がどのように変化するかを見分ける問題です。
暗順応とは、明るい場所から暗い場所へ移動したときに、暗さに目が慣れて見えるようになる働きです。加齢に伴って暗さに慣れるまでの時間が長くなるため、選択肢3が適切です。
解説
高齢になると、瞳孔が小さくなりやすいことや、眼に入る光の量が減ること、網膜の感度が変化することなどによって、明るい場所から暗い場所へ移ったときの視力の回復に時間がかかります。これが暗順応の時間の延長です。明るい屋外から暗い玄関や廊下へ入った直後は、足元や段差が見えにくくなり、転倒の危険が高まります。
聴覚では、加齢性難聴によって高音域から聞き取りにくくなる傾向があります。高い音や子音が聞き分けにくくなり、周囲に雑音があると会話がさらに理解しにくくなります。
皮膚感覚、味覚、嗅覚は一般に加齢とともに低下する傾向があります。温度や痛みへの気づきが遅れれば、やけどや皮膚損傷につながる可能性があります。味覚や嗅覚の低下は、食欲、食事の楽しみ、傷んだ食品や焦げへの気づきにも影響します。
ただし、感覚機能の変化には個人差があり、疾患、薬剤、生活環境の影響も受けます。年齢だけで決めつけず、本人の訴えと実際の生活上の困りごとを確認します。
ひっかけポイント
加齢による感覚変化は、基本的に「敏感になる」より「感じ取りにくくなる」と整理します。聴力は特に高音域から低下し、視覚では暗順応に時間がかかります。
介護実践でのポイント
室内の照明を確保し、明るさが急に変わる場所では少し立ち止まって目が慣れる時間をとります。会話時は背景音を減らし、正面から落ち着いて話します。湯温や食品の安全は、本人の感覚だけに任せず確認します。
選択肢の確認
1.皮膚感覚が敏感になる。
誤り。
加齢に伴い、触覚、圧覚、温度覚などの皮膚感覚は低下する傾向があります。熱さや痛みに気づきにくくなる場合があるため、安全確認が必要です。
2.高音域の聴力が高まる。
誤り。
加齢性難聴では、高音域の聴力から低下しやすくなります。高い音や会話の子音が聞き取りにくくなることがあります。
3.暗順応の時間が延長する。
正答。最も適切です。
明るい場所から暗い場所へ移ったときに、暗さに目が慣れるまでの時間が長くなります。暗い場所へ入った直後は、段差や障害物が見えにくいため注意が必要です。
4.味覚が敏感になる。
誤り。
味覚は加齢とともに低下する傾向があります。薬剤、口腔乾燥、口腔内の状態なども影響するため、味つけを濃くする前に原因を確認します。
5.嗅覚が敏感になる。
誤り。
嗅覚も加齢とともに低下する傾向があります。においを感じにくくなると、食欲の低下や、食品の腐敗、煙などへの気づきの遅れにつながることがあります。
覚えるポイント
加齢により、暗順応には時間がかかるようになります。
加齢性難聴では、高音域から聞き取りにくくなる傾向があります。
皮膚感覚、味覚、嗅覚は低下する傾向があります。
感覚機能の低下は、転倒、やけど、食欲低下、食品事故など生活上の危険に結びつけて考えます。
年齢だけで一律に判断せず、疾患、薬剤、環境、本人の困りごとを個別に確認します。