36Q52|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.妄想
この問題のポイント
統合失調症の代表的な陽性症状は、幻覚と妄想です。
妄想は、本人にとって強い現実感を伴う考えです。周囲から訂正されても受け入れることが難しく、被害妄想や関係妄想などとして現れることがあります。
解説
統合失調症の症状は、主に陽性症状、陰性症状、認知機能障害に分けて整理します。
陽性症状とは、それまでなかった体験や状態が現れる症状です。代表的なものに、幻覚、妄想、まとまりにくい思考や会話などがあります。幻覚では、実際には周囲に存在しない声が聞こえる幻聴が多くみられます。
妄想とは、周囲からみると事実と異なる内容であっても、本人が強く確信し、訂正することが難しい考えです。「危害を加えられている」と感じる被害妄想や、「テレビや周囲の出来事が自分に関係している」と感じる関係妄想などがあります。
陰性症状には、意欲の低下、感情表現の減少、会話の乏しさ、社会的な引きこもりなどがあります。認知機能障害として、注意、記憶、計画、問題解決などの難しさがみられることもあります。
症状の種類や程度、経過は一人ひとり異なります。統合失調症という診断だけから、その人の言動や能力を一律に決めつけてはいけません。
ひっかけポイント
抑うつ気分や記憶力の低下が統合失調症に伴う場合はありますが、最も特徴的な症状を問われた場合は、陽性症状である幻覚・妄想を選びます。「強迫性障害」は症状名ではなく、統合失調症とは別の精神疾患です。
介護実践でのポイント
妄想を頭ごなしに否定して言い争ったり、反対に妄想内容へ同調したりしません。「怖いと感じているのですね」など、本人が感じている不安や苦痛を受け止め、安全で落ち着ける環境を整えます。症状の変化、睡眠、食事、服薬状況などを観察し、本人の同意と安全に配慮しながら医療職へ共有します。
選択肢の確認
1.振戦せん妄
誤りです。
振戦せん妄は、主にアルコール依存症の人が飲酒を急に中断したときなどに生じる重い離脱症状です。振戦、意識の混濁、見当識障害、幻視、自律神経症状などがみられ、統合失調症の特徴的な症状ではありません。
2.妄想
正しいです。
妄想は統合失調症にみられる代表的な陽性症状です。本人には強い現実感があり、周囲が訂正しようとしても受け入れることが難しいという特徴があります。
3.強迫性障害
誤りです。
強迫性障害は、望まない考えが繰り返し浮かぶ強迫観念や、それを打ち消すための強迫行為を特徴とする別の精神疾患です。統合失調症の特徴的な症状名ではありません。
4.抑うつ気分
誤りです。
抑うつ気分はうつ病の中心的な症状です。統合失調症に伴うこともありますが、統合失調症に最も特徴的な症状ではありません。
5.健忘
誤りです。
健忘は、出来事や情報を思い出せない記憶障害です。統合失調症では認知機能障害がみられることがありますが、健忘は代表的・特徴的な症状ではありません。
覚えるポイント
統合失調症の代表的な陽性症状は、幻覚と妄想です。
陰性症状には、意欲低下、感情表現の減少、会話の乏しさなどがあります。
注意、記憶、計画、問題解決などの認知機能に難しさが生じることもあります。
妄想は本人にとって現実味のある体験です。
妄想内容を否定も肯定もせず、本人の不安や苦痛を受け止めます。