35Q52|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
上田敏の障害受容のモデルにおける受容期の説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.障害に対する価値観を転換し,積極的な生活態度になる。
この問題のポイント
上田敏の障害受容のモデルは、障害を負った人の心理的な過程を、次の5段階で示しています。
1.ショック期
2.否認期
3.混乱期
4.解決への努力期
5.受容期
受容期の中心となるのは、障害に対する価値観の転換です。
解説
上田敏は、障害の受容を、単に障害を諦めたり我慢したりすることではなく、障害に対する価値観を転換することと捉えました。
受容期では、障害があっても自分の人間としての価値全体が低下するわけではないことを認識し、障害を自分の一部として受け止めながら、自分の力や新しい生活方法に目を向けて積極的に生活するようになります。
したがって、「障害に対する価値観を転換し,積極的な生活態度になる」が受容期の説明として最も適切です。
ひっかけポイント
リハビリテーションに取り組んでいるだけで、直ちに受容期とは判断できません。機能回復や生活方法の獲得に向けて取り組むことは「解決への努力期」にみられます。受容期を見分ける決め手は、障害に対する価値観が転換し、障害があっても自分らしく生活しようとする姿勢です。
介護実践でのポイント
5段階は、誰もが決まった順序や期間で進むことを意味するものではありません。前の段階に戻ったり、複数の感情が同時に現れたりすることもあります。介護福祉職が「早く障害を受容すべきだ」と迫らず、本人の揺れる感情を受け止め、本人が選んだ目標と生活を支えることが大切です。
選択肢の確認
1.受傷直後である。
誤りです。
受傷直後で、起きた出来事を十分に理解したり受け止めたりできない状態は「ショック期」にあたります。
2.障害の状態を否認する。
誤りです。
障害が残る現実を認めず、一時的なものだと考えるなどの反応は「否認期」にあたります。
3.リハビリテーションによって機能回復に取り組む。
誤りです。
現実的な解決方法を探し、機能回復や新しい生活方法の獲得に向けて取り組む状態は、主に「解決への努力期」にあたります。
4.障害のため何もできないと捉える。
誤りです。
障害によってすべてを失ったと感じ、怒り、悲嘆、抑うつなどが現れる状態は、主に「混乱期」にみられます。
5.障害に対する価値観を転換し,積極的な生活態度になる。
正しいです。
障害が人間としての価値全体を低下させるものではないと認識し、価値観を転換して積極的に生活する状態が「受容期」です。
覚えるポイント
- 上田敏の5段階は、ショック、否認、混乱、解決への努力、受容である。
- 受容期のキーワードは「価値観の転換」と「積極的な生活態度」である。
- 受容は、障害を諦めることや感情を押し殺すことではない。
- 実際の心理過程は一方向とは限らず、本人のペースを尊重する。