34PM130|第34回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
次の症例で最も考えられる疾患はどれか。「76歳の女性。1年ほど前から特に誘因なく右手がしびれ、その後、左手にも出現。物をつかみにくく、歩行もぎこちなくなった。両側下肢の腱反射は亢進。」
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、手のしびれに加えて、手指の巧緻運動障害、歩行障害、腱反射亢進があることから頸椎症性脊髄症を考えます。
神経根症と脊髄症の違いを見分けることが重要です。
解説
頸椎症性脊髄症は、加齢による頸椎の変性により脊髄が圧迫されて起こります。手のしびれ、箸が使いにくい、ボタンがかけにくい、物をつかみにくいなどの巧緻運動障害がみられます。
さらに、歩行がぎこちない、階段が下りにくい、下肢腱反射が亢進するなど、上位運動ニューロン障害を示す所見が出ます。
本症例では、右手から左手へしびれが広がり、物をつかみにくく、歩行もぎこちなくなっています。両側下肢の腱反射亢進もあるため、頸椎症性脊髄症が最も考えられます。
胸郭出口症候群や頸椎症性神経根症では、上肢の症状が中心で、下肢腱反射亢進や歩行障害は通常目立ちません。
ひっかけポイント
下肢腱反射亢進や歩行障害がある場合は、末梢神経や神経根だけでなく脊髄症を考えます。
選択肢の確認
1.胸郭出口症候群
誤り。
胸郭出口症候群では腕神経叢や鎖骨下血管が圧迫され、上肢のしびれ、だるさ、冷感などがみられます。下肢腱反射亢進や歩行障害は説明しにくいです。
2.頸椎症性脊髄症
正しい。
手のしびれ、物をつかみにくい巧緻運動障害、歩行障害、両側下肢腱反射亢進は頸髄圧迫を示唆します。頸椎症性脊髄症が最も考えられます。
3.頸椎症性神経根症
誤り。
頸椎症性神経根症では、頸部から上肢への痛みやしびれが神経根の支配領域に沿って出ます。下肢の腱反射亢進や歩行障害がある場合は脊髄症を考えます。
4.外傷性頸部症候群
誤り。
外傷性頸部症候群は、むち打ち損傷など外傷後に頸部痛、頭痛、めまいなどをきたす病態です。本症例では特に誘因なく進行し、脊髄症状が目立つため適切ではありません。
覚えるポイント
- 頸椎症性脊髄症では手指巧緻運動障害と歩行障害が重要です。
- 下肢腱反射亢進は上位運動ニューロン障害を示します。
- 神経根症は上肢の痛みやしびれが中心です。
- 両側性症状や歩行障害があれば脊髄圧迫を疑います。
- 高齢者の手のしびれでは、頸椎症性脊髄症を見落とさないようにします。