77PM5第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

診療画像検査学診療画像検査MRI検査

MR 像を別に示す。  矢印で示すアーチファクトの原因はどれか。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、腹部 MR 像にみられる血流・拍動によるアーチファクトを判断します。

矢印で示されている高信号は、血管そのものの信号が別の位置にずれて写ったように見えるゴーストアーチファクトです。

解説

提示された腹部の MR 横断像では、大動脈などの拍動性血流に関連して、矢印の部位に明るい信号が出現しています。

MRI では、データを時間をかけて k 空間に収集します。この間に血管が拍動すると、血流や血管壁の動きによって信号の位相が周期的に変化します。

その結果、拍動する血管の信号が本来の位置だけでなく、位相エンコード方向にずれて重なって見えることがあります。これを拍動性アーチファクト、またはゴーストアーチファクトと呼びます。

腹部では、大動脈やその周囲の拍動が原因となりやすく、血管の高信号が繰り返し写ったように見えるのが特徴です。

画像でまず見るポイント
矢印の高信号は、金属による強い信号欠損や歪みではなく、血管信号がずれて投影されたような像です。拍動性血流によるゴーストを考えます。

ひっかけポイント
化学シフトアーチファクトは脂肪と水の境界に黒白のずれとして出やすく、金属や磁化率アーチファクトは局所的な信号欠損や歪みが目立ちます。この画像のような血管信号のずれは、動脈拍動が原因です。

選択肢の確認

1.誤り。
金属アーチファクトでは、金属周囲に強い信号欠損、画像の歪み、局所的な磁場不均一による乱れが生じます。提示画像では金属による強い歪みや広範な信号欠損は目立ちません。

2.誤り。
磁化率アーチファクトは、空気、骨、金属、出血などによる局所磁場の乱れで生じます。典型的には信号低下、辺縁の歪み、画像の変形として現れます。矢印部のような血管信号のずれとは合いません。

3.誤り。
折り返しアーチファクトは、撮像範囲外の構造が反対側などに折り返して表示される現象です。FOV が不足したときに起こりやすく、体表や臓器が画像内へ巻き込まれるように見えます。提示画像の所見とは異なります。

4.誤り。
化学シフトアーチファクトは、脂肪と水の共鳴周波数差によって生じます。脂肪と水の境界に沿って、片側が高信号、反対側が低信号のように見えることが多いです。矢印部のような血管由来のゴースト像ではありません。

5.正しい。
動脈の拍動により、血流信号や血管壁の動きが周期的に変化し、位相エンコード方向にゴーストアーチファクトが生じます。提示画像の矢印は、拍動性血流によるアーチファクトとして考えるのが適切です。

覚えるポイント

  • MRI では、動き拍動でゴーストアーチファクトが生じます。
  • 血管拍動によるアーチファクトは、主に位相エンコード方向に現れます。
  • 腹部 MRI では、大動脈などの拍動性血流が原因になりやすいです。
  • 化学シフトは脂肪と水の境界、磁化率は信号欠損や歪み、折り返しは FOV 不足と整理します。
  • 拍動アーチファクト対策には、同期撮像、位相エンコード方向の変更、プリサチュレーションパルス、フロー補償などがあります。
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