77AM23|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射線治療技術学照射術式X線、γ線
骨髄移植の前処置で行われる放射線治療はどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、骨髄移植の前処置として行われる放射線治療が問われています。
骨髄移植、特に造血幹細胞移植の前処置では、全身 X 線照射〈TBI:total body irradiation〉 が行われることがあります。
正答は 3.全身 X 線照射 です。
解説
骨髄移植の前処置では、移植前に患者の骨髄や免疫系を抑制する目的で、化学療法や放射線治療が行われます。
放射線治療として用いられる代表的な方法が、**全身 X 線照射〈TBI〉**です。
TBI には主に次の目的があります。
- 腫瘍細胞や白血病細胞を減少させる。
- 患者自身の造血細胞を抑制する。
- 免疫抑制により移植片の生着を促す。
- 全身に潜む病変に対して広く線量を与える。
全身を対象とするため、電子線ではなく、透過力の高い X 線が用いられます。
ひっかけポイント
「全身」と付く選択肢には、全身 X 線照射と全身電子線照射があります。
骨髄移植の前処置で行うのは、深部の骨髄まで照射できる全身 X 線照射です。
他の照射法との違い
- 全脳照射:脳転移などで用いられる。
- マントル照射:悪性リンパ腫などで頸部・縦隔・腋窩を含む範囲に用いられた照射法。
- 全身電子線照射:皮膚表面病変、特に皮膚悪性リンパ腫などで用いられる。
- 全脳全脊髄照射:髄液播種をきたす腫瘍などで用いられる。
選択肢の確認
1.誤り。
全脳照射は、脳転移や中枢神経病変などに対して頭蓋内を照射する方法です。
骨髄移植の前処置として全身の骨髄を対象にする方法ではありません。
2.誤り。
マントル照射は、主に悪性リンパ腫で頸部、縦隔、腋窩などを含む領域に行われた照射法です。
骨髄移植の前処置として全身を対象にする照射ではありません。
3.正しい。
骨髄移植の前処置では、全身の骨髄や免疫系を抑制する目的で**全身 X 線照射〈TBI〉**が行われることがあります。
したがって、この選択肢が正答です。
4.誤り。
全身電子線照射は、電子線の浅い飛程を利用して皮膚表面を広く照射する方法です。
深部の骨髄まで照射する骨髄移植前処置には適しません。
5.誤り。
全脳全脊髄照射は、髄液播種をきたす腫瘍などで脳脊髄軸を照射する方法です。
骨髄移植の前処置として行う標準的な全身照射ではありません。
覚えるポイント
- 骨髄移植の前処置では 全身 X 線照射〈TBI〉 が行われることがある。
- TBI は、腫瘍細胞減少、免疫抑制、移植片生着促進を目的とする。
- 全身電子線照射は皮膚表面病変に用いられる。
- 全脳照射、全脳全脊髄照射、マントル照射は照射範囲と目的が異なる。
- 「骨髄移植前処置 = TBI」と覚える。