61PM022|第61回 理学療法士国家試験 過去問
松葉杖の一般的な設定で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2.握りの高さは大転子とする。
この問題のポイント
松葉杖の正しい設定において、最も重要なのは「握りの高さが大転子の高さになること」です。これは、肘関節を適切に屈曲させ、体重を効率的に手掌で支えるための基盤です。誤った設定は、歩行時の安定性を損なったり、腋窩部への圧迫(松葉杖麻痺)を引き起こす可能性があります。
解説
松葉杖の標準的な設定では、握り(グリップ)の高さを「大転子の高さ」と設定します。このとき、肘関節は約30度の屈曲位になります。この角度は、手で体重を支えやすく、杖の支持面を広く確保できるため、臨床的に最も適切です。また、この設定により、手の負担を減らし、歩行中のバランスを維持できます。
脇当て(腋部)は、腋窩に密着させず、指3本分(約2〜3cm)下に位置づけます。これにより、腋窩神経・血管を圧迫し、松葉杖麻痺(橈骨神経麻痺)を防ぎます。杖の全長は「身長から約40cm引いた長さ」が目安で、50cm引くと短すぎます。杖先は足先の前方・外側それぞれ約15cmの位置に設定し、つま先の前方5cmに置くのは不適切です。
選択肢の確認
1.肘関節を伸展位で握る。
→ 誤り。完全伸展位では推進力が不足し、衝撃吸収も困難。適切なのは約30度屈曲。
2.握りの高さは大転子とする。
→ 正しい。標準的な設定で、肘の角度と体重支持のバランスを確保。
3.脇当てと腋窩を隙間なく設定する。
→ 誤り。隙間なく設定すると腋窩部に圧迫が生じ、神経損傷のリスクがある。
4.杖は身長から50 cm 引いた長さとする。
→ 誤り。正確な長さは身長−約40cm。50cm引くと杖が短く、支持が不十分。
5.杖先は立位でつま先の前方5 cm に置く。
→ 誤り。正確な位置は足先の前方・外側それぞれ約15cm。5cmは支持面が不足。
覚えるポイント
「大転子の高さで握る」「肘30度屈曲」「腋窩に隙間をあける」の3つを記憶すると、松葉杖の基本設定がすぐに思い出せます。特に、腋部への圧迫を避けること(松葉杖麻痺予防)は、臨床現場で最も重要なポイントです。