60AM040第60回 理学療法士国家試験 過去問

筋力増強運動で正しいのはどれか。

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正解: 3

正答

3.等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮がある。

この問題のポイント

筋力増強運動における筋収縮の分類と、その運動学的メカニズムの理解が問われています。特に、等張性収縮の性質を正確に把握することが、正解に至る鍵となります。

解説

筋収縮は、運動の目的に応じて「等張性(アイソトニック)」と「等速性(アイソメトリック)」に分けられます。等張性収縮は、関節運動を伴い、筋肉の長さが変化する収縮です。この中で、求心性収縮(短縮しながら筋肉を収縮させる)と遠心性収縮(伸張しながら筋肉を制御する)に分類されます。例えば、上肢を上に持ち上げる際の「上昇段階」は求心性、下に下げる際の「制御段階」は遠心性です。この分類は臨床的に重要で、特に高齢者や機能低下者において、遠心性収縮は筋肉の耐性向上や損傷リスクの低減に寄与することが知られています。

一方、他の選択肢については、臨床的根拠に反します。高齢者では低負荷から始め、段階的に負荷を増やしていくことが推奨され、高負荷・低頻度はリスクが高いため適切ではありません。運動経験は運動効果に影響し、特に神経適応や運動パターンの習得において重要です。筋力維持には最大筋力の20~30%程度でも可能であり、40~50%は増強のための目安に過ぎません。また、等速性収縮において角速度が速くなると筋出力(トルク)は低下するため、高速域での運動は筋出力効果を増大させるとは言えません。

選択肢の確認

1.高齢者では高負荷低頻度で実施するのがよい。:間違っている。リスクが高く、低負荷から開始が適切。
2.運動の効果には対象者の運動経験は影響しない。:間違っている。運動経験は神経適応や運動精度に影響。
3.等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮がある。:正しい。筋収縮の基本的分類。
4.筋力維持には最大筋力の40~50 % 以上の負荷が必要である。:間違っている。維持には20~30%程度が適切。
5.等速性収縮の角速度高速域での運動は筋出力効果が増大する。:間違っている。角速度が速くなるほど筋出力は低下。

覚えるポイント

「等張性=短縮・伸張の2種類(求心性・遠心性)」を覚えて、その運動の実際の動きと関連付けることで、臨床的判断がしやすくなります。

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