111Q261|第111回 薬剤師国家試験 過去問
59 歳男性。1 年前の勤務先の定期健康診断で眼圧高値を指摘され、専門医 で精密検査を受けるよう勧められた。その後、市立病院眼科を受診したところ、原 発性開放隅角緑内障と診断され、処方1 の薬剤による治療を受けていた。しかし、 眼圧低下効果が十分に得られないため、本日、新たに処方2 が追加され来局した。 (処方1 ) ラタノプロスト点眼液 0.005%(2.5 mL/本) 1 本 1 日1 回 夕 両目に点眼 (処方2 ) ブリモニジン酒石酸塩点眼液 0.1%(5 mL/本) 1 本 1 日2 回 朝夕 両目に点眼 その後、ブリモニジンの追加によっても十分な効果が得られないため、ラタノプ ロスト及びブリモニジンのどちらとも作用機序の異なる薬物を含む薬剤を追加する こととなった。追加できる薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解: 2・4
正答
2・4
この問題のポイント
ラタノプロストのFP受容体刺激、ブリモニジンのα2受容体刺激とは異なる、房水産生抑制と主流出路促進の機序を選びます。
解説
ニプラジロールは非選択的β受容体遮断により毛様体での房水産生を抑え、α1受容体遮断などを介してぶどう膜強膜流出を促します。既存二剤と異なる作用をもつ追加候補です。リパスジルはRhoキナーゼを阻害し、線維柱帯細胞の細胞骨格や収縮状態を変化させて、線維柱帯からシュレム管へ至る主流出路の抵抗を低下させます。FP受容体刺激は既使用のラタノプロスト、α2受容体刺激は既使用のブリモニジンと同じ機序です。BKチャネルに作用する薬では、遮断ではなく開口による主流出路促進が考えられるため、記述の方向が逆です。
選択肢の確認
1.プロスタノイド FP 受容体を刺激して、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出 を促進する。:誤り。ラタノプロストと同じ機序です。
2.アドレナリン β 及び α1 受容体を遮断して、毛様体上皮細胞による房水産生を 抑制するとともに、ぶどう膜強膜流出経路からの房水排出を促進する。:正答。ニプラジロールの作用に合います。
3.アドレナリン α2 受容体を刺激して、毛様体上皮細胞による房水産生を抑制す る。:誤り。ブリモニジンと同じ機序です。
4.Rho キナーゼを阻害して、線維柱帯細胞の細胞骨格を変化させることで、線維 柱帯-シュレム管流出経路からの房水排出を促進する。:正答。リパスジルの作用です。
5.BK チャネル(大コンダクタンス Ca 2+ 依存性 K + チャネル)を遮断して、線維 柱帯-シュレム管流出経路からの房水排泄を促進する。:誤り。主流出路促進に関係するのはBKチャネル開口です。
覚えるポイント
緑内障薬は「房水産生を減らす」「ぶどう膜強膜流出を増やす」「線維柱帯流出を増やす」のどこへ働くかで整理します。