111Q241|第111回 薬剤師国家試験 過去問
7 月中旬に学校薬剤師が担当中学校の屋外プールの水質検査を実施した。 採水時刻は午前 11 時、天候は晴れ、気温 29.5 ℃、水温 32 ℃であった。循環ろ過 装置の運転は1 日当たり2 循環であり、消毒剤として塩素化イソシアヌル酸が自動 注入されている。 対象のプールの採水場所A、B、C 給水口X、排水口Y 上図のプール3 ケ所(A~C)で遊離残留塩素を測定したところ、全て 0.4 mg/L であった。その他の検査結果は次のとおりだった。 (検査結果) 検 査 項 目 採水場所A 採水場所B 採水場所C pH 値 7.0 7.1 7.1 濁 度(度) 0.94 0.78 0.89 大 腸 菌 検出 不検出 不検出 一般細菌(CFU/mL) 49 48 44 水質検査結果を基に、学校薬剤師がプールを管理している教員に対し助言する内 容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

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正解: 4・5
正答
4・5
この問題のポイント
実画像の採水位置と表を読み、プール水の有機物負荷、大腸菌、残留塩素、ろ過・オーバーフローの役割を評価します。
解説
画像ではA~Cの遊離残留塩素はいずれも0.4 mg/Lで下限を満たし、pH、濁度、一般細菌数も基準範囲ですが、Aで大腸菌が検出されています。また問240で求めた過マンガン酸カリウム消費量は約16 mg/Lで、基準の12 mg/L以下を超え、有機物汚染が示唆されます。入泳者由来の汗、皮脂、化粧品などは、人数が多いことや入水前シャワー不足で増えます。有機物が多いほど塩素との反応でトリハロメタン前駆物質となり得ます。オーバーフローと補給水は汚染物の排出・希釈に役立ち、循環ろ過は主に懸濁物を除くもので溶存有機物を完全には除けません。大腸菌検出時は遊泳を止め、消毒と原因対策後に水質改善を確認します。
選択肢の確認
1.過マンガン酸カリウム消費量が多いほど、塩素消毒するとトリハロメタンの生 成が抑制できる。:誤り。有機物が多いほど生成の可能性は高まります。
2.水質を改善するためにオーバーフローしないように注意しながら水を補給する。:誤り。オーバーフローは表面汚染物の排出に役立ちます。
3.循環ろ過装置は、水に溶存する有機物を除去するために設置している。:誤り。主な対象は懸濁物です。
4.入泳者数の多さや入水前のシャワーの不足により、過マンガン酸カリウム消費 量が多くなる。:正答。入泳者由来の有機物負荷が増えます。
5.大腸菌が検出されているので、消毒剤を追加して水質の改善が確認できるまで は遊泳させない。:正答。糞便汚染の指標が基準不適合です。
覚えるポイント
遊離残留塩素だけで安全とは判断できません。大腸菌は不検出、過マンガン酸カリウム消費量は12 mg/L以下が目安です。