111Q235|第111回 薬剤師国家試験 過去問
84 歳男性。身長 165 cm、体重 60.5 kg。直腸がん(Stage Ⅲb)に対して、 腹腔鏡下直腸切断術が施行された。術後疼痛管理のためアセトアミノフェン静注液 1,000 mg を手術当日に1 回投与した。疼痛が継続したため、さらに術後1 日目と 2 日目に1 日4 回投与した。術後3 日目の血液検査で総ビリルビン 2.63 mg/dL、 AST 5,991 IU/L、ALT 4,438 IU/L であったため、アセトアミノフェン血漿中濃 度を測定した結果、解毒薬の投与推奨域であった。 提案した解毒薬の投与により、肝臓内で生成量が増えるアセトアミノフェン代謝 物はどれか。1つ選べ。

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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
実画像の構造を、アセトアミノフェン、NAPQI、硫酸抱合体、グルクロン酸抱合体、グルタチオン抱合体に割り当てます。
解説
画像では、構造1がアセトアミノフェン未変化体、構造2が酸化で生じる求電子性代謝物NAPQI、構造3がフェノール性水酸基の硫酸抱合体、構造4が同じ部位のグルクロン酸抱合体です。構造5にはグルタチオン由来のグルタミン酸、システイン、グリシンからなる部分が結合しており、NAPQIのグルタチオン抱合体と読めます。N-アセチルシステイン投与はシステインを供給して肝内グルタチオンを再生し、NAPQIの抱合・無毒化を促すので、生成が増えるのは構造5です。親化合物そのものや通常の硫酸・グルクロン酸抱合体を直接増やすことが解毒の中心ではありません。
選択肢の確認
1.選択肢1(画像参照):誤り。示されているのはアセトアミノフェン未変化体です。
2.選択肢2(画像参照):誤り。示されているのは毒性発現に関わるNAPQIです。
3.選択肢3(画像参照):誤り。フェノール性水酸基の硫酸抱合体です。
4.選択肢4(画像参照):誤り。フェノール性水酸基のグルクロン酸抱合体です。
5.選択肢5(画像参照):正答。グルタチオンが付加したNAPQIの解毒代謝物です。
覚えるポイント
N-アセチルシステインはNAPQI生成を止める薬ではなく、グルタチオンを回復させてNAPQI抱合体への変換を促す薬です。