111Q229第111回 薬剤師国家試験 過去問

69 歳女性。乳がん切除後6 日目に悪寒と 38.6℃の発熱を認め、タゾバク タム・ピペラシリンの投与が開始された。その3 日後にメチシリン耐性黄色ブドウ 球菌(MRSA)が創部から検出されたため、抗菌薬がバンコマイシンに変更され た。バンコマイシン投与開始後7 日目の抗菌薬適正使用支援チーム(AST)回診 前の検査所見は以下のとおりであった。 (検査所見) 体温:36.2 ℃ 血液検査:白血球 8,600/μL、赤血球 462 × 10 4/μL、血小板 18 × 10 4/μL、 AST 24 IU/L、ALT 30 IU/L、LDH 212 IU/L、 総ビリルビン 1.2 mg/dL、血清クレアチニン 0.6 mg/dL、 eGFR 65.6 mL/min/1.73 m 2、空腹時血糖 98 mg/dL、 TG(トリグリセリド)145 mg/dL、総コレステロール 180 mg/dL、 尿酸 6.5 mg/dL、CRP 0.25 mg/dL 創部浸出液:なし この患者が罹患した MRSA 感染症に関する記述として、正しいのはどれか。 2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・4

正答

1・4

この問題のポイント

MRSA感染症について、日和見感染、感染症法上の把握方法、指定医療機関への入院、保菌の有無を切り分けます。

解説

MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌で、手術創、カテーテル、免疫低下、抗菌薬使用などを背景に感染を起こしやすい代表的な日和見感染症です。感染症法では五類感染症の定点把握対象に位置付けられ、指定された基幹定点医療機関が発生状況を届け出ます。三類感染症のような特定職種への就業制限の枠組みではなく、一類感染症患者のための第一種感染症指定医療機関へ転院させる疾患でもありません。黄色ブドウ球菌は皮膚や鼻腔などに定着し、MRSAも症状のない健常者から検出されることがあります。したがって検出だけで感染発症と同一視せず、臨床所見と検体採取部位を合わせて評価します。

選択肢の確認

1.日和見感染症の1 つである。:正答。術後など感染防御が低下した状況で問題になります。
2.感染症法 (注) において、特定の職業への就業によって集団発生を起こし得る感 染症とされている。:誤り。これは三類感染症の考え方で、MRSA感染症には該当しません。
3.患者は、第一種感染症指定医療機関に転院しなければならない。:誤り。そのような入院措置の対象ではありません。
4.定点把握の対象疾患として届出なければならない。:正答。五類感染症として指定定点から報告します。
5.病原体は、院内患者から検出され、健常人から検出されることはない。 (注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律:誤り。健常者が無症候で保菌することもあります。

覚えるポイント

MRSA感染症は五類・定点把握の日和見感染症です。無症候保菌があるため、菌の検出と感染症の発症を区別します。

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