111Q225|第111回 薬剤師国家試験 過去問
72 歳女性。嗄声が継続していたため近医を受診した。胸部 X 線検査で右肺 腫瘤を指摘され、総合病院呼吸器内科を紹介受診した。精査の結果、cT2N3M1b、 Stage ⅣA の非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。パフォーマンスステータス (PS)0 。EGFR 遺伝子変異陰性、ALK 遺伝子転座陰性、ROS1 遺伝子転座陰性、 BRAF 遺伝子変異陰性、PD-L1 ≧ 50%。一次治療としてペムブロリズマブが投与 されることになった。 この患者へのぺムブロリズマブの投与にあたり、病棟担当薬剤師が留意すること として適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 3・4
正答
3・4
この問題のポイント
ペムブロリズマブでは、細胞障害性抗がん薬の定型的な支持療法よりも、免疫関連有害事象の早期発見が重要です。
解説
ペムブロリズマブは抗PD-1抗体で、抑制されていたT細胞応答を回復させます。そのため、正常組織にも免疫反応が及ぶ免疫関連有害事象を全身で生じ得ます。新たな咳や息苦しさは間質性肺疾患、倦怠感、体重変化、動悸などは甲状腺機能異常の手掛かりとなるため、症状聴取と検査値確認を継続します。単剤投与は通常、催吐性に基づく制吐薬の一律な予防投与を前提としません。モノクローナル抗体は小分子薬のような腎排泄型ではなく、腎機能値に応じて投与前に定型的な減量をする薬でもありません。ただし免疫関連腎障害は別途監視します。EGFR遺伝子変異陰性は治療選択に関わる情報で、副作用増悪の症状ではありません。
選択肢の確認
1.投与前における制吐剤の予防投与:誤り。ペムブロリズマブ単剤で定型的に必要な前投薬ではありません。
2.投与前における腎機能に応じた用量の調節:誤り。腎機能値に基づく通常の用量調節は行いません。
3.治療中の咳、息苦しさなどの症状:正答。免疫関連の間質性肺疾患を疑う重要な兆候です。
4.治療中の甲状腺機能の異常:正答。甲状腺機能低下症・亢進症などを生じ得ます。
5.治療中の EGFR 遺伝子変異陰性に伴う副作用の増悪:誤り。陰性という腫瘍遺伝子情報を副作用増悪として監視するものではありません。
覚えるポイント
免疫チェックポイント阻害薬では、肺、甲状腺、肝、腸、皮膚、腎などの免疫関連有害事象を症状と検査の両面から追います。