111Q216|第111回 薬剤師国家試験 過去問
69 歳男性。高血圧治療中。20 歳頃から喫煙していた。最近、平坦なとこ ろを歩いていても息切れすることがあり、痰が少し絡むようになった。病院を受診 したところ、COPD と診断された。薬物治療が開始されていたが、症状の改善が 不十分であったため、以下の処方1 ~3 に変更となり、患者が処方箋を持って来局 した。患者からの聞き取りによると、医師からは、「心不全はなく、入院の必要も ない。」と説明されたとのことだった。お薬手帳の情報から、併用薬はなく、健康 食品の摂取もなかった。また、インフルエンザワクチン接種が推奨される時期であ り、接種について患者から質問があった。 (処方1 ) アノーロエリプタ 30 吸入用 (注) 1 個 1 回1 吸入 1 日1 回 朝吸入 (処方2 ) アンブロキソール塩酸塩徐放性口腔内崩壊錠 45 mg 1 回1 錠 (1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 30 日分 (処方3 ) カルボシステイン錠 250 mg 1 回1 錠 (1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 30 日分 ⎧ | | ⎩ ⎫ | | ⎭ 注:1 吸入でウメクリジニウムとして 62.5 μg 及びビランテロール25 μg を 吸入できるドライパウダー吸入剤 この患者には息切れや痰の絡みが生じている。気管支に関する記述として正しい のはどれか。2つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
気道の分岐順序、ガス交換が始まる部位、クラブ細胞と杯細胞、粘液線毛クリアランスの輸送方向を整理します。
解説
気管支は分岐しながら細くなり、細気管支、終末細気管支、呼吸細気管支、肺胞管を経て肺胞へ至ります。終末細気管支までは空気を運ぶ導管部で、肺胞が壁に現れる呼吸細気管支からガス交換部が始まります。細気管支にはクラブ細胞があり、気道を保護する分泌物や肺表面活性物質の成分を分泌します。粘液を分泌するのは杯細胞や粘膜下腺であり、胃にみられる壁細胞ではありません。吸入異物は粘液に捕捉され、線毛運動によって肺胞側ではなく咽頭側へ運ばれて排出・嚥下されます。
選択肢の確認
1.気管支は分岐を繰り返しながら細くなり、細気管支、終末細気管支、呼吸細気 管支を経て、肺胞へとつながる。:正答。導管部から呼吸部へ続く順序です。
2.終末細気管支は、ガス交換に関与する。:誤り。ガス交換は呼吸細気管支以降です。
3.細気管支の細胞から肺表面活性物質が分泌される。:正答。クラブ細胞が成分を分泌します。
4.気管支の内面は粘膜で覆われており、粘液を分泌する壁細胞が存在している。:誤り。粘液分泌は杯細胞などです。
5.気管支内に侵入した異物は粘液にからめとられ、線毛の運動により肺胞側へと 輸送される。:誤り。咽頭側へ輸送されます。
覚えるポイント
終末細気管支=導管部、呼吸細気管支以降=ガス交換。線毛は異物を咽頭側へ運びます。