110Q321第110回 薬剤師国家試験 過去問

69 歳男性。一人暮らし。隣県に息子が住んでおり、休日にこの男性の世話 をしている。処方1 及び2 の薬剤で治療していたが、物忘れが多くなり、2 ケ月前 より処方3 の薬剤が開始となった。服薬を忘れることもあり、息子は一人では面倒 をみられないと近所の地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、 今月要支援2 の認定を受けた。主治医は、残薬が多く服薬に問題があるため、服薬 支援のために薬局薬剤師の在宅訪問を考えた。この男性、息子、医師、薬剤師、介 護支援専門員と相談の結果、薬剤師の月1 回訪問が決まり、契約を締結し、薬剤管 理指導の費用を介護保険で請求することとなった。初回訪問時の処方は以下のとお りである。 (処方1 ) イミダプリル塩酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) タムスロシン塩酸塩口腔内崩壊錠0.1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 (処方2 ) 酸化マグネシウム錠330 mg 1 回2 錠(1 日6 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分 (処方3 ) ガランタミン口腔内崩壊錠8 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) ファモチジン口腔内崩壊錠10 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 28 日分 薬剤師が2 回目の訪問時に患者宅にあるヘルパーの訪問記録から、薬がきちんと 飲めているが、ここ1 ケ月ほど軟便が続いているという情報を得た。この患者に合 わせた薬剤師の対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

軟便が続く患者では、まず処方薬による便通への影響を見直します。酸化マグネシウムは浸透圧性下剤で、便が軟らかすぎる場合は用量調整の候補です。

解説

患者は酸化マグネシウムを毎食後服用しており、継続する軟便との薬理的な関連が明確です。脱水や感染徴候、便回数、食事、腹痛を確認したうえで、主治医へ減量を提案するのが合理的です。水分制限は脱水を悪化させるおそれがあり、市販の止瀉薬を原因評価なしに勧めると症状を覆い隠します。ファモチジンの増量は軟便の治療になりません。ガランタミンにも消化器症状があり得ますが、増量すれば改善する根拠はなく、むしろ悪化し得ます。

選択肢の確認

1.水分摂取を控えるよう患者と息子に指導した。:誤り。高齢者の持続する軟便で脱水を招く対応です。
2.酸化マグネシウムの減量を主治医に提案した。:正しい。下剤作用が過剰である可能性に対応します。
3.市販の止瀉薬を購入し、服用するよう患者と息子に指導した。:誤り。感染や薬剤性などの原因を評価する前の自己治療は不適切です。
4.ファモチジンの増量を主治医に提案した。:誤り。酸分泌抑制を強めても軟便の改善は期待できません。
5.ガランタミンの増量を主治医に提案した。:誤り。コリン作動性の消化器症状を強める可能性があります。

覚えるポイント

在宅で便性状が変わったら、下剤の量、服薬開始時期、脱水、感染徴候を確認し、原因薬の調整を提案します。

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