110Q308|第110回 薬剤師国家試験 過去問
50 歳女性。身長155 cm、体重48 kg。B 型肝炎の既往あり。起床時の手指 関節のこわばり、肘関節、膝関節の痛みを主訴として受診し、関節リウマチと診断 され、処方1 と処方2 の薬剤で治療していた。その後、炎症がコントロールでき ず、受診した際に注射薬の追加が提案されたが、患者から「自分で注射するのは怖 い。病院内で点滴してほしい。」との要望があったため、処方3 が追加されること となった。 なお、処方3 の薬剤は、製造販売業者から卸売販売業者を経て、納入されたもの である。 (処方1 ) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル) 毎週 日曜日 1 日2 回 8 時、20 時 4 日分(投与実日数) (処方2 ) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル) 毎週 月曜日 1 日1 回 8 時 4 日分(投与実日数) (処方3 ) 点滴静注 アバタセプト(遺伝子組換え)点滴静注用 (250 mg/バイアル 2 本) 500 mg 生理食塩液100 mL 1 日1 回 30 分かけて投与 処方3 の薬剤を投与開始するにあたり、この患者に行う説明として適切なのはど れか。2つ選べ。
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正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
アバタセプトはT細胞活性化を抑える生物学的製剤です。期待する効果と、点滴反応、重篤な感染症、B型肝炎再活性化への対応を具体的に説明します。
解説
アバタセプトはCTLA-4の細胞外領域を利用した融合タンパク質で、抗原提示細胞上のCD80・CD86に結合し、T細胞の共刺激シグナルを抑えます。その結果、関節痛や腫脹を改善し、関節破壊の進行を抑制します。免疫を抑えるため、B型肝炎既往例ではHBV再活性化に注意し、投与前後にHBV関連検査や肝機能を継続確認します。点滴中の呼吸困難などは投与時反応や過敏症の可能性があり、単に安静で様子をみず、直ちに医療者へ伝える必要があります。重篤な感染症など生命に関わる副作用もあり、安全と言い切れません。
選択肢の確認
1.この薬は、免疫の異常に対して働き、関節の痛みや腫れなどの症状を改善し、 関節の破壊を防止します。:正答。治療目的を患者向けに適切に説明しています。
2.点滴中に息苦しくなることがありますが、一定時間安静にすれば回復しますの で心配いりません。:重篤な過敏反応の可能性があり、直ちに申し出るべきです。
3.この薬の投与によってB 型肝炎の再燃のリスクがありますので、定期的な検査 が必要です。:正答。既往があるため再活性化を監視します。
4.命にかかわるような副作用は報告されていない安全なお薬です。:重篤な感染症などがあり、誤った説明です。
5.点滴治療開始後は、同一成分の自己注射を希望しても変更することはできませ ん。:皮下注製剤があり、状態に応じて変更を検討できます。
覚えるポイント
生物学的製剤では、効果だけでなく感染症スクリーニング、再活性化監視、投与時反応への即時対応を説明します。