110Q305第110回 薬剤師国家試験 過去問

58 歳女性。乳がんによる骨転移性疼痛に対して、デノスマブ皮下注とモル ヒネ硫酸塩水和物徐放錠にて治療中であった。腰痛の悪化により、モルヒネ硫酸塩 水和物徐放錠が増量された。FDG︲PET (注)を行ったところ、腰椎に集積像が確認 された。増量後は、疼痛コントロールは良好であったが、日常生活に支障をきたす ほどの眠気が増強してきたため来院し、患者希望により緩和ケアチームが関与する ことになった。来院時の検査値は以下のとおりである。 (注) FDG︲PET:Fluorodeoxyglucose-Positron emission tomography(フルオロ デオキシグルコース陽電子放出断層撮影) (検査値) AST 15 IU/L、ALT 16 IU/L、BUN 35.0 mg/dL、 血清クレアチニン1.6 mg/dL、eGFR 26.7 mL/min/1.73 m 2 緩和ケアチームの薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・4

正答

1・4

この問題のポイント

eGFR 26.7 mL/min/1.73 m2という腎機能低下が、デノスマブの低Ca血症とモルヒネ代謝物の蓄積の両方を強めます。薬剤の腎排泄特性から対応を選びます。

解説

デノスマブはRANKLを阻害して骨吸収を抑えますが、低カルシウム血症を起こすことがあり、腎機能低下例では特に血清Ca値や症状の監視が重要です。ゾレドロン酸は腎排泄され腎障害時に使いにくいため、本例でデノスマブから変更する利点はありません。モルヒネは活性をもつ代謝物などが腎排泄され、腎機能低下時に蓄積して眠気や呼吸抑制を強め得ます。フェンタニルは腎排泄性活性代謝物の影響が小さく、疼痛が安定している患者では換算量を慎重に設定したオピオイドローテーションを検討できます。

選択肢の確認

1.デノスマブ皮下注の投与中は、低カルシウム血症の発現に注意するよう、情報 共有する。:正答。腎機能低下がリスクを高めます。
2.デノスマブ皮下注からゾレドロン酸水和物注射液への変更を検討する。:ゾレドロン酸は腎機能低下時に不向きです。
3.モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠の投与中は、QT 延長の副作用の発現に注意する よう、情報共有する。:QT延長はモルヒネの代表的問題ではありません。
4.モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠からフェンタニルクエン酸塩テープへの変更を検 討する。:正答。腎機能低下と眠気を踏まえた変更です。
5.モルヒネ硫酸塩水和物徐放錠からロキソプロフェンナトリウム錠への変更を検 討する。:腎障害を悪化させ得て、強いがん疼痛の代替にもなりません。

覚えるポイント

腎機能低下時はモルヒネ代謝物の蓄積を考え、フェンタニルなどへの変更を検討します。デノスマブ中はCaを監視します。

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