110Q295|第110回 薬剤師国家試験 過去問
29 歳女性。既婚。3 年前に夫をドナーとした生体腎移植(ABO 血液型適 合)を受け、拒絶反応を抑制するため免疫抑制薬を以下の処方で服用しながら、生 活をしている。腎移植後、体調がよくなり生活も安定してきたので、子供を欲しい と思うようになった。 (処方) シクロスポリンカプセル25 mg 1 回3 カプセル(1 日6 カプセル) 1 日2 回 朝夕食後 28 日分 1 年後、この患者は妊娠したが、妊娠第25 週目になって血圧の上昇(154/112 mmHg)がみられたため入院し、降圧療法を行うことになった。なお、入院時の 血液検査結果は以下のとおりである。 (検査値) BUN 18 mg/dL、血清クレアチニン0.7 mg/dL、eGFR 80 mL/min/1.73 m 2、 Na 143 mEq/L、K 5.2 mEq/L、Cl 105 mEq/L この患者に対して禁忌ではなく、用いることができる降圧薬はどれか。2つ選 べ。
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正解: 1・5
正答
1・5
この問題のポイント
妊娠25週の降圧薬選択では胎児毒性を最優先します。レニン・アンジオテンシン系阻害薬と妊娠禁忌薬を除き、妊娠中に使用可能な薬を選びます。
解説
妊娠中期以降のACE阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、胎児腎機能障害、羊水過少などを起こすおそれがあり使用できません。ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬エサキセレノンも妊婦には禁忌であり、本例ではK 5.2 mEq/Lと高めである点からも不適切です。アテノロールは胎児発育などを観察しながら慎重に用いる必要がありますが、妊娠そのものを理由とする禁忌ではありません。ニフェジピンは妊娠高血圧で使用できるCa拮抗薬です。
選択肢の確認
1.アテノロール:正答。胎児発育などへの注意は必要ですが、本問の条件で禁忌ではありません。
2.エナラプリルマレイン酸塩:ACE阻害薬で、妊娠中期以降は胎児腎障害などのため使用できません。
3.エサキセレノン:妊婦には禁忌で、高カリウム血症の点からも不適切です。
4.バルサルタン:ARBであり、妊娠中の胎児毒性から禁忌です。
5.ニフェジピン:正答。妊娠中の高血圧に使用可能なCa拮抗薬です。
覚えるポイント
妊娠中はACE阻害薬とARBを避けます。使用可能な薬でも母体血圧、胎児発育、腎機能・電解質を継続評価します。