110Q281|第110回 薬剤師国家試験 過去問
65 歳男性。身長165 cm、体重60 kg。腹痛及び背部痛を訴え、近医を受診 した。血中膵酵素及び腫瘍マーカー(CA19︲9、CEA)が高値であったため、超音 波内視鏡検査を施行したところ、膵臓がんと診断された。治癒切除が不能と判断さ れ、胆道ドレナージが施行された。その後、化学療法としてGnP 療法(ゲムシタ ビン・nab︲パクリタキセル併用療法)で治療を行うことになった。 レジメン(GnP) 点滴 薬剤 用量 Day 1 Day 8 Day 15 Day 22 時間 (処方1 ) 30 分 125 2 ○ ○ ○ アブラキサン点滴静注用 mg/m (注) 生理食塩液で懸濁 (処方2 ) 30 分 1,000 2 ○ ○ ○ ゲムシタビン点滴静注用 mg/m 生理食塩液で溶解 休薬 ○ (注:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)) 処方1 の薬剤に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
nab-パクリタキセルのnabはアルブミン結合ナノ粒子を意味します。結合様式、粒子の大きさの区分、血中での挙動を整理します。
解説
アブラキサンは難溶性のパクリタキセルをヒト血清アルブミンと非共有結合させ、ナノ粒子として懸濁可能にした製剤です。投与後は血液で希釈されると粒子が速やかに崩壊し、アルブミンに結合したパクリタキセルとして運ばれます。従来のパクリタキセル注射液で溶解に用いるポリオキシエチレンヒマシ油やエタノールを必要としない点が特徴です。高分子マイクロカプセルや共有結合型の持続性製剤ではありません。
選択肢の確認
1.有効成分とアルブミンを可逆的に結合することによって、血中で速やかに崩壊 するナノ粒子とした。:正答。非共有結合性のアルブミン結合ナノ粒子です。
2.腫瘍組織への集積性を高めるために、有効成分を生分解性高分子でマイクロカ プセル化した。:アルブミンナノ粒子であり、高分子マイクロカプセルではありません。
3.有効成分とアルブミンを共有結合することによって、血中滞留性を改善した。:共有結合ではなく可逆的な結合です。
4.アルコールと界面活性剤の添加によって、有効成分の溶解性を改善した。:このような溶解補助剤を使わずに製剤化したことが特徴です。
5.アルブミンの添加により膠質浸透圧を調整することで、副作用である血管痛を 軽減した。:アルブミンの目的は膠質浸透圧調整ではなく、難溶性薬物のナノ粒子化です。
覚えるポイント
nab製剤は、薬物をアルブミンへ可逆的に結合したナノ粒子です。高分子カプセルや共有結合体と区別します。