110Q265|第110回 薬剤師国家試験 過去問
62 歳女性。最近2 週間ほど、咳嗽・喀痰があり、微熱も続いていた。市販 薬を継続服用していたが改善せず、呼吸器内科を受診したところ、肺結核と診断さ れた。処方は以下のとおりである。 (処方1 ) リファンピシンカプセル150 mg 1 回3 カプセル(1 日3 カプセル) 1 日1 回 朝食前 30 日分 (処方2 ) イソニアジド錠100 mg 1 回2 錠(1 日2 錠) ピラジナミド原末 1 回1.5 g(1 日1.5 g) エタンブトール塩酸塩錠250 mg 1 回3 錠(1 日3 錠) 1 日1 回 朝食後 30 日分 処方1 及び処方2 のいずれかの薬物の結核菌に対する作用として、正しいのはど れか。2つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1・2
この問題のポイント
処方された4剤と抗結核薬の標的を対応させます。リファンピシンはRNA合成、イソニアジドはミコール酸合成を阻害します。
解説
リファンピシンは結核菌のDNA依存性RNAポリメラーゼに結合して転写を妨げ、RNA合成を阻害します。イソニアジドは菌体内で活性化された後、ミコール酸の生合成を阻害し、抗酸菌に特徴的な細胞壁形成を妨げます。処方中のピラジナミドは酸性環境にある菌へ作用し、エタンブトールはアラビノシルトランスフェラーゼを阻害して細胞壁成分の合成を妨げます。後半2剤の機序も整理すると、別系統薬の記述を除外できます。
選択肢の確認
1.DNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害して、RNA 合成を抑制する。:正答。リファンピシンの作用です。
2.ミコール酸の合成を阻害して、細胞壁合成を抑制する。:正答。イソニアジドの作用です。
3.トポイソメラーゼⅣとDNA ジャイレースを阻害して、核酸合成を抑制する。:フルオロキノロン系抗菌薬の機序で、処方4剤の説明ではありません。
4.ATP 合成酵素を阻害して、結核菌細胞内のATP 量を低下させる。:ベダキリンの機序であり、今回の処方薬には含まれません。
5.リボソーム30S サブユニットに作用して、タンパク質合成を阻害する。:ストレプトマイシンなどの機序であり、今回の4剤には該当しません。
覚えるポイント
RFP―RNAポリメラーゼ、INH―ミコール酸、EB―アラビノシルトランスフェラーゼを軸に区別します。