110Q229|第110回 薬剤師国家試験 過去問
76 歳男性。下肢にしびれを感じて外科を受診し、6 ケ月にわたって通院し ていたが、その間、腎機能が徐々に低下していたため内科を紹介された。血液検査 結果により慢性腎臓病と診断され、外来で経過を観察することになった。 (外来時の身体所見) 身長168 cm、体重74 kg、体温36.5 ℃、血圧142/85 mmHg (検査値) BUN 40 mg/dL、血清クレアチニン1.4 mg/dL、eGFR 42 mL/min/1.73 m 2、 血清アルブミン2.6 g/dL、空腹時血糖81 mg/dL、HbA1c 5.6%、 Na 138 mEq/L、K 4.5 mEq/L、ALT 35 IU/L、尿中アルブミン100 mg/day、 尿アルブミン/クレアチニン比83.3 mg/gCr、尿タンパク(+)、 尿タンパク/クレアチニン比0.25 g/gCr(簡易尿検査) この患者が内科で出された処方箋を持って家族と来局した。この患者に服薬指導 した際に、家族から食生活に関する質問があり、食塩の摂取を控えるよう助言し た。薬剤師が腎臓病に関連するリスク因子について論文検索したところ、食塩摂取 量と末期腎不全(End Stage Renal Disease:ESRD)発症との関連性について検討 した論文があった。その論文においては、慢性腎臓病の患者500 人のうち、100 人 がESRD を発症し、食塩6.0 g/日以上を摂取していた患者は85 人であった。ま た、ESRD を発症した100 人のうち、食塩6.0 g/日以上を摂取していた患者が20 人 であった。 食塩摂取(6.0 g/日以上)によるESRD 発症のオッズ比として最も近い値はどれ か。1つ選べ。
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正解: 4
正答
1
この問題のポイント
オッズ比は、曝露あり・なしと発症あり・なしの2×2表を作り、対角積の比ad/bcで求めます。
解説
500人中ESRD発症は100人、非発症は400人です。食塩6.0 g/日以上の曝露群は85人で、そのうちESRD発症が20人なので、曝露群の非発症は85-20=65人です。非曝露群は500-85=415人で、そのうち発症は100-20=80人、非発症は400-65=335人です。したがってオッズ比は、(20/65)/(80/335)=20×335/(65×80)=1.288…となり、最も近いのは1.3です。リスク比ではなく、各群の発症オッズの比である点に注意します。
選択肢の確認
1.1.3:正答。計算値約1.29に最も近いです。
2.2.3:2×2表の分母を取り違えた値です。
3.3.7:曝露者総数を発症者として扱うなどの誤計算です。
4.4.1:発症率や非発症数を正しく対応させていません。
5.4.9:オッズ比の式と一致しません。
覚えるポイント
表は「曝露あり:発症20・非発症65、曝露なし:発症80・非発症335」。OR=20×335/(65×80)です。