110Q227|第110回 薬剤師国家試験 過去問
34 歳女性。この女性の12 歳の娘に市からヒトパピローマウイルス (HPV)ワクチン接種についてのお知らせが届いた。娘はHPV ワクチンの接種歴 がない。この女性はHPV ワクチンの説明を聞くため、市から送られた下の成分表 を含む資料を持って娘と一緒にかかりつけ薬局に来局した。そのHPV ワクチンの 成分、投与方法、そして免疫応答を高める成分(アジュバント)が入っていること などを、下の成分表を確認しながら薬剤師が説明した。 HPV ワクチンの成分表 HPV ワクチンの成分 分量 薬効成分 ヒトパピローマウイルス16 型L1 タンパク質ウイルス様 20 μg 粒子 ヒトパピローマウイルス18 型L1 タンパク質ウイルス様 20 μg 粒子 添加物A 3︲脱アシル化︲4'︲モノホスホリルリピッドA 50 μg (リポ多糖誘導体) 添加物B 水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500 μg その他の 塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸二水素ナトリウム(緩衝剤)、 添加物 pH 調節剤 このワクチンに含まれる添加物に関する記述として、誤っているのはどれか。 1つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
アジュバントは自然免疫を活性化して抗原提示を強め、その結果として抗原特異的な獲得免疫を増強します。
解説
添加物Aの3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA(MPL)は、グラム陰性菌由来リポ多糖のリピドAを弱毒化した誘導体です。TLR4を介して自然免疫細胞を刺激し、樹状細胞などの成熟・抗原提示を促進します。添加物Bの水酸化アルミニウムは抗原を吸着し、投与部位での抗原保持や炎症性シグナルを通じて免疫応答を増強します。両者を組み合わせたアジュバント系により、VLP抗原への獲得免疫が高まります。したがって、両者が自然免疫を「抑制する」とした記述が誤りです。
選択肢の確認
1.添加物Aは、細菌由来成分の誘導体である。:正しい。LPSのリピドA誘導体です。
2.添加物Aと添加物Bは、ともにアジュバントである。:正しい。免疫応答を増強します。
3.添加物Bは、抗原を吸着し、投与部位での抗原の滞留時間を延ばす。:正しい。アルミニウム塩の働きです。
4.添加物Aは、抗原提示細胞の抗原提示機能を促進する。:正しい。自然免疫活性化を介します。
5.添加物Aと添加物Bは、ともに自然免疫応答を抑制し、獲得免疫応答を促進す る。:誤りで正答。自然免疫を活性化します。
覚えるポイント
MPL=TLR4刺激、Al塩=抗原吸着・免疫刺激。自然免疫の活性化が獲得免疫を強めます。