110Q212第110回 薬剤師国家試験 過去問

31 歳女性。1 ケ月前に粘血便、下痢が出現したため近所の消化器内科を受 診し、大腸内視鏡検査により全大腸炎型潰瘍性大腸炎と診断された。医師との面談 で、患者が安価な治療を望んだため、処方1 による治療が開始され症状は改善し た。その後、病状が安定していたが、たびたびめまいや頭痛が生じたとの訴えが あったため、医師は処方1 を処方2 へ変更し、患者が処方2 の処方箋を持って薬局 を訪れた。 (処方1 ) サラゾスルファピリジン錠500 mg 1 回1 錠(1 日4 錠) 1 日4 回 朝昼夕食後、就寝前 14 日分 (処方2 ) メサラジン錠500 mg (注) 1 回2 錠(1 日4 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 (注)エチルセルロースでコーティングした放出調節製剤 処方1 の薬物は、大腸へ到達後、下図のように、腸内細菌により代謝(還元)さ れて効果を示す。 N O O N S 腸内細菌 主たる活性成分 H N N CO2H (還元反応) OH 処方1 の薬物 全大腸炎型潰瘍性大腸炎に有効な主たる活性成分の構造はどれか。1つ選べ。 NH N O O O O N N S N S O O N S H H N N CO2H N N H OH NH2 OH OH 1 2 3 N O O N S H2N CO2H N H H CO2H N H OH OH 4 5

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

サラゾスルファピリジンはアゾ結合を腸内細菌に還元切断され、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンを生じます。

解説

サラゾスルファピリジン(スルファサラジン)は、5-アミノサリチル酸(5-ASA、メサラジン)とスルファピリジンをアゾ結合で連結したプロドラッグです。大腸に到達すると腸内細菌のアゾ還元酵素によりN=N結合が切断されます。潰瘍性大腸炎で局所的な抗炎症作用を担う主成分は5-ASAで、公式図の選択肢5に示された、サリチル酸環にアミノ基とヒドロキシ基をもつ構造です。スルファピリジンは全身吸収され、頭痛、悪心などの副作用に関係します。処方2への変更は活性成分メサラジンを直接、大腸まで放出する考え方です。

選択肢の確認

1.選択肢1(画像参照):スルファピリジン側の生成物で、主たる局所活性成分ではありません。
2.選択肢2(画像参照):アゾ結合が切断されず残った誘導体です。
3.選択肢3(画像参照):置換基とアゾ結合が残り、5-ASAではありません。
4.選択肢4(画像参照):ヒドラゾ結合様の中間体で、最終活性成分ではありません。
5.選択肢5(画像参照):正答。5-アミノサリチル酸(メサラジン)です。

覚えるポイント

スルファサラジン―アゾ還元→5-ASA(局所抗炎症)+スルファピリジン(副作用に関与)です。

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