109Q289|第109回 薬剤師国家試験 過去問
42 歳女性。半年前に両側手指関節及び両側膝関節の痛みを自覚し病院を受 診した。検査の結果、関節リウマチと診断され、処方1 による治療を受けていた。 症状のコントロールが不十分だったためメトトレキサートが漸増されたが、多発性 関節炎は持続した。最近では仕事にも支障をきたすようになったため、治療方針が 変更されることになった。この患者は小児期に水痘に罹患した既往がある。 (検査値) CRP 5.0 mg/dL、リウマトイド因子陽性、抗CCP 抗体(抗環状シトルリン化 ペプチド抗体)陽性、抗核抗体陰性、AST 25 IU/L、ALT 15 IU/L、 eGFR 80 mL/min/1.73 m 2 (処方1 ) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル) 毎週 日曜日1 日2 回 9 時、21 時 4 日分(投与実日数) メトトレキサートカプセル2 mg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル) 毎週 月曜日1 日1 回 9 時 4 日分(投与実日数) 治療方針が変更されて2 週間後、患者が来院し、診察前の薬剤師との面談で「左 腰部から背部に沿ってかゆみがあって、昨日から痛み出した」と訴えた。薬剤師 は、患者情報を収集して副作用を疑い、医師へ情報提供を行った。医師は診察後バ ラシクロビルを処方した。 薬剤師が副作用を疑うきっかけになった患者情報はどれか。2つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1・2
この問題のポイント
片側の腰部から背部に沿うそう痒・疼痛は帯状疱疹を疑う所見です。メトトレキサートと追加免疫抑制薬の併用が再活性化リスクの手掛かりです。
解説
水痘・帯状疱疹ウイルスは初感染後に知覚神経節へ潜伏し、細胞性免疫が低下すると再活性化します。片側の皮節に沿うそう痒や疼痛は皮疹に先行することもあり、バラシクロビル処方と整合します。メトトレキサートの服用状況に加え、トファシチニブまたはアダリムマブの追加内容を把握することが、免疫抑制の程度と帯状疱疹リスクを疑う直接の契機です。42歳女性という属性、正常な肝・腎機能だけではこの副作用を強く示しません。水痘ワクチン歴は予防計画で重要ですが、今回の薬剤関連リスクを疑う中心情報は現在の免疫抑制治療です。
選択肢の確認
1.メトトレキサートの服用状況:正答。基礎となる免疫抑制治療です。
2.追加した治療薬の処方内容:正答。JAK阻害薬・生物学的製剤は帯状疱疹等に注意します。
3.年齢と性別:今回の直接的な薬剤性リスクの手掛かりではありません。
4.水痘ワクチンの接種歴:予防上は重要ですが、本問で副作用を疑う中心情報ではありません。
5.肝機能、腎機能:提示値は保たれており、帯状疱疹を示す手掛かりではありません。
覚えるポイント
免疫抑制治療中の片側皮節痛は、発疹前でも帯状疱疹を疑い早期対応します。