109Q263|第109回 薬剤師国家試験 過去問
70 歳男性。糖尿病と心不全で治療中。3 年前に眼圧の上昇が指摘され、原 発開放隅角緑内障との診断を受け、処方1 による治療を開始した。なお、同時に白 内障の診断も受けている。点眼液による治療開始後、目の周囲が黒ずむなど眼瞼色 素沈着が観察されるようになったため、処方1 から処方2 へ変更になった。その 後、眼圧低下が不十分と診断され、現在は処方2 に加えて処方3 が追加となってい る。 (臨床検査値) HbA1c 8.0%、BUN 20 mg/dL、血清クレアチニン1.2 mg/dL、 尿中ケトン体(+)、血清浸透圧295 mOsm/L (処方1 ) ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5 mL/本) 1 本 1 日1 回 朝 両眼に点眼 (処方2 ) オミデネパグ イソプロピル点眼液0.002%(2.5 mL/本) 1 本 1 日1 回 朝 両眼に点眼 (処方3 ) ブリンゾラミド懸濁性点眼液1.0%(5 mL/本) 1 本 1 日2 回 朝夕 両眼に点眼 しばらくして白内障の手術(眼内レンズ挿入術)のため入院となり、処方2 が中 止となった。処方2 に替えて、新たに異なる作用機序の薬物を追加することになっ た。追加する薬物の作用機序として、適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
ブリンゾラミドとは異なる機序で、心不全がある患者にも追加を検討しやすいのはα2受容体作動薬とRhoキナーゼ阻害薬です。
解説
ブリモニジンなどのα2受容体作動薬は房水産生を抑え、ぶどう膜強膜流出も促進します。リパスジルはRhoキナーゼを阻害し、線維柱帯・シュレム管経路の流出抵抗を減らします。いずれも炭酸脱水酵素阻害薬ブリンゾラミドとは異なる機序です。β遮断点眼薬は房水産生を抑えますが、本例は心不全治療中であり、全身吸収による心機能・脈拍への影響から追加候補として不適切です。選択肢3は既存薬と同じ機序、選択肢5は中止したオミデネパグの機序です。眼内レンズ挿入眼ではオミデネパグによる黄斑浮腫にも注意します。
選択肢の確認
1.アドレナリンa2 受容体を刺激して、毛様体における房水産生を抑制するとと もに、ぶどう膜強膜流出経路からの房水流出を促進する。:正答。ブリモニジン等です。
2.アドレナリンb1 受容体を遮断して、毛様体における房水産生を抑制する。:心不全患者への追加には適しません。
3.炭酸脱水素酵素を阻害して、毛様体における房水産生を抑制する。:処方3と同じ機序です。
4.Rho キナーゼを阻害して、線維柱帯︲シュレム管経路からの房水流出を促進す る。:正答。リパスジル等の機序です。
5.プロスタノイドEP2 受容体を刺激して、線維柱帯︲シュレム管経路及びぶどう 膜強膜流出経路からの房水流出を促進する。:中止したオミデネパグの機序です。
覚えるポイント
α2刺激は産生抑制+流出促進、ROCK阻害は主流出路の抵抗を低下させます。