109Q249|第109回 薬剤師国家試験 過去問
68 歳男性。胸痛、咳嗽、発熱により救急外来を受診した。胸部X 線検査 で肺炎像と胸水貯留が認められ、重症細菌性肺炎が疑われたため入院となり、以下 の処方1 と処方2 で治療を開始することとなった。 (入院時の身体所見及び検査値) 身長165 cm、体重60 kg、体温39.5 ℃、呼吸25 回/分 白血球18,000/μL、CRP 18.5 mg/dL、eGFR 80 mL/min/1.73 m 2、 SpO2 92% (処方1 ) メロペネム点滴静注用1 g 生理食塩液100 mL 1 日3 回 8:00、16:00、24:00 30 分かけて静脈内投与 3 日連日 (処方2 ) アセトアミノフェン静注液 1000 mg/100 mL(1 回500 mg 使用) 1 日2 回 10:00、18:00 15 分かけて静脈内投与 3 日連日 救急外来担当薬剤師がお薬手帳を確認したところ、てんかんの治療中であり、現 在、バルプロ酸ナトリウム、レベチラセタム、ペランパネルを内服していることが わかった。 この患者で薬物相互作用が懸念される抗てんかん薬の作用機序はどれか。2つ選 べ。
解答・解説を見る
正解: 3・5
正答
3・5
この問題のポイント
メロペネムとの相互作用が問題になるバルプロ酸の多面的作用から、T型Caチャネル遮断とGABA分解抑制を選びます。
解説
バルプロ酸はGABAトランスアミナーゼを阻害してGABA分解を抑え、脳内GABA量を増加させます。またT型Ca2+チャネルや電位依存性Na+チャネルを抑え、神経細胞の反復発火を抑制します。選択肢中では3と5が該当します。炭酸脱水酵素阻害はアセタゾラミド、AMPA受容体遮断は処方中のペランパネル、SV2A結合は処方中のレベチラセタムの作用です。どの抗てんかん薬が相互作用の対象かを、作用機序と薬名から区別します。
選択肢の確認
1.炭酸脱水酵素を阻害して、神経細胞の過剰興奮を抑制する。:アセタゾラミド等の作用です。
2.グルタミン酸AMPA 受容体を遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。:ペランパネルの作用です。
3.T 型Ca 2+ チャネルを遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。:正答。バルプロ酸の作用の一つです。
4.シナプス小胞タンパク質(SV2A)と結合して、興奮性神経伝達物質の放出を 抑制する。:レベチラセタムの作用です。
5.GABA トランスアミナーゼを阻害して、シナプス間隙におけるGABA 量を増 加させる。:正答。GABA作用を増強します。
覚えるポイント
バルプロ酸=Na/T型Caチャネル抑制+GABA分解抑制、と多面的に作用します。