109Q167第109回 薬剤師国家試験 過去問

35 歳男性。献血時の検査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性とな り、HIV 感染症と診断された。 この症例に対する治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・4

正答

1・4

この問題のポイント

HIV感染症の抗レトロウイルス療法について、開始時期、併用、継続、免疫再構築症候群、生命予後への効果を確認します。

解説

現在の抗レトロウイルス療法は、CD4陽性リンパ球数にかかわらず、原則として診断されたすべてのHIV感染者で開始を検討します。作用機序の異なる複数薬を併用してウイルス増殖を強力に抑え、耐性化を防ぎます。HIV-RNA量が検出限界未満になっても体内からウイルスが根絶されたわけではないため、自己判断で休薬しません。治療開始後に免疫機能が回復すると、既存の日和見感染などに対する炎症反応が顕在化・増悪する免疫再構築症候群が生じることがあります。適切な治療はAIDS発症と死亡を減らし、生命予後を大きく改善します。

選択肢の確認

1.CD4 陽性リンパ球数が基準範囲内であっても、抗レトロウイルス療法が必要で ある。:正答。CD4数だけを開始条件とせず治療します。
2.抗レトロウイルス療法では、抗HIV 薬の単剤で治療を開始する。:耐性化を防ぎ十分な抑制を得るため、多剤併用療法を行います。
3.HIV︲RNA 量が減少した場合には、抗HIV 薬を休薬する。:ウイルス抑制を維持するため継続が必要です。
4.免疫再構築症候群は、後天性免疫不全症候群(AIDS)やHIV 感染症の治療中 にみられる炎症を主体とする病態である。:正答。免疫回復に伴って炎症が顕在化します。
5.抗レトロウイルス療法を行っても、生命予後は改善しない。:ウイルス量を抑え、AIDS発症と死亡を減らして予後を改善します。

覚えるポイント

ARTは早期に多剤で開始し、ウイルス量が低下しても継続します。開始後の炎症増悪では免疫再構築症候群を考えます。

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