109Q120|第109回 薬剤師国家試験 過去問
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染と薬害エイズに関する以下の問いに答 えよ。 血友病の治療のために投与された非加熱血液製剤によりHIV 感染が生じた事例 に関連する生物学的知識として、正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
血友病の遺伝形式、HIVの標的細胞、逆転写とプロウイルス化、HTLV-1との違いを整理します。
解説
代表的な遺伝性血友病A・Bは、X染色体上の凝固因子遺伝子の病的変異によるX連鎖潜性遺伝です。男性はX染色体を1本しかもたないため発症しやすくなります。HIVは主にCD4陽性T細胞へ感染し、RNAゲノムを逆転写してDNAとし、宿主染色体へ組み込んでプロウイルスとなります。これにより長期潜伏が可能です。公式紙面で選択肢2の孔径は0.22 μmであり、約0.1 μmのHIVを確実に除去できる孔径ではありません。
選択肢の確認
1.遺伝性血友病はX 連鎖潜性(劣性)遺伝により生じるため、男性に発症しや すい。:正答。血友病A・Bは典型的なX連鎖潜性遺伝です。
2.血漿中のHIV は加熱処理しなくても、孔径0.22 nm のメンブレンろ過により 除去できる。:保存データでは単位がnmと抽出されていますが、公式紙面は0.22 μmです。HIV粒子より大きな孔を通り得るため、確実には除去できません。
3.血液製剤に混入したHIV は、治療を受ける患者のCD8 陽性T リンパ球に感染 する。:主な標的はCD4陽性T細胞で、CD8陽性T細胞ではありません。
4.HIV はレトロウイルスであり、プロウイルス化により感染宿主細胞内で長期間 潜伏できる。:正答。逆転写DNAが宿主ゲノムへ組み込まれます。
5.HIV 感染による症状として、花びらのように分かれた核を持つ特徴的な腫瘍化 T 細胞がみられるようになる。:花弁状核の腫瘍細胞はHTLV-1による成人T細胞白血病でみられます。
覚えるポイント
血友病A・BはX連鎖潜性、HIVはCD4陽性T細胞、プロウイルス潜伏です。花弁状核はHTLV-1によるATLです。