109Q102第109回 薬剤師国家試験 過去問

エタノール中、ナトリウムエトキシドによる(S)︲2︲ブロモペンタンのE2 反 応では、3 つのアルケンA~Cが生成する。以下の記述のうち、正しいのはどれ か。2つ選べ。なお、Newman 投影式Ⅰ~Ⅲは(S)︲2︲ブロモペンタンの配座異性 体を表している。 Br NaOCH2CH3 H CH3CH2OH H3C CH3 H CH3 H H H + + CH2 H3C H H3C CH3 H3C A B C CH2CH3 H H Br H Br H Br H H H H CH2CH3 H CH3CH2 CH3 CH3 CH3 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

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2つ選択
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正解: 2・3

正答

2・3

この問題のポイント

E2反応は塩基によるβ水素引き抜きと脱離基の離脱が同時に起こり、反応速度と生成物は塩基濃度、脱離能、配座で決まります。

解説

E2は一段階の二分子脱離で、速度式はv = k[基質][塩基]です。小さな強塩基エトキシドでは、より置換度が高く安定な内部アルケン2-ペンテンが優先し、そのE体AとZ体Bの合計が末端アルケンCを上回ります。またC-Br結合はC-Cl結合より切れやすく、Br⁻の方が良い脱離基なので、Cl置換体では反応が遅くなります。立体的にはβ-HとBrがanti-periplanarである必要があります。

選択肢の確認

1.カルボカチオン中間体を経由する反応である。:E2は協奏的な一段階反応で、カルボカチオンを経由しません。
2.AとBをあわせた収率は、Cの収率より大きい。:正答。ザイツェフ則により内部2-ペンテンA・Bが末端1-ペンテンCより優先します。
3.臭素原子を塩素原子に置換した出発物質を用いると、脱離反応が遅くなる。:正答。Cl⁻はBr⁻より脱離能が低いためです。
4.ナトリウムエトキシドの濃度を変えても、反応速度は変化しない。:速度はエトキシド濃度にも一次で依存します。
5.配座異性体Ⅰ~Ⅲのうち、ⅢからAが生成する。:ⅢでBrとanti-periplanarにあるβ-Hが脱離するとBの幾何配置となり、Aにはなりません。

覚えるポイント

E2は「一段階、速度は基質と塩基の双方に依存、β-Hと脱離基はanti-periplanar」です。

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