61PM018|第61回 作業療法士国家試験 過去問
7 歳の男児。学校ではじっと座って授業を受けることが苦手で、授業中に立ち上 がったり、他児に話しかけたりすることが多い。教科書や提出物の忘れ物も多い。 気に入らないことがあると、すぐに感情的になり暴れる行動があり、他児とトラブ ルを繰り返している。母親に付き添われて精神科を受診し、外来作業療法が開始さ れた。 この男児への対応で適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3.適切な行動ができたら賞賛する
この問題のポイント
ADHD(注意欠如多動症)の子どもに対しては、行動を「増やす」ことよりも「どう促すか」が重要。特に、正の強化(ポジティブ強化)が行動変容に有効であることが臨床的エビデンスで支持されている。
解説
7歳の男児は、注意維持困難、多動、衝動、感情的反応の頻発といったADHDの特徴を示している。このような子どもには、単に「叱る」のではなく、望ましい行動を即座に認め、強化することが効果的である。作業療法では、行動の頻度を高めるための「正の強化」が基本となる。たとえば、座り直したときや教科書を忘れずに持ったときなど、小さな成功をすぐに肯定することで、その行動が習慣化される。これは、脳の報酬系が働き、望ましい行動を繰り返すようになる仕組みに基づく。また、環境の構造化や視覚的提示、保護者との連携も重要だが、最も基本的で効果的な介入は「行動ができたときにすぐに賞賛すること」である。
選択肢の確認
1.言語的な介入を中心に行う。:長い説明は注意維持困難な子どもの脳の処理能力を超え、効果が薄い。誤り。
2.集団活動には参加させない。:社会性の発展には集団参加が重要で、ルールを明確にすることで参加を促すべき。誤り。
3.適切な行動ができたら賞賛する。:正の強化がADHD支援の根幹。即時・具体的な賞賛が行動の増加を促す。正解。
4.保護者の関わりを最小限にする。:保護者へのペアレントトレーニングは、子どもの行動改善に不可欠。誤り。
5.作業手順は一度に説明するようにする。:ワーキングメモリの限界があるため、短く、分割して視覚的に提示すべき。誤り。
覚えるポイント
ADHDの子どもの行動変容には「正の強化」が鍵。小さな成功をすぐに認めることで、望ましい行動が習慣化される。作業療法では「励ます」が「叱る」よりも効果的である。