61AM016第61回 作業療法士国家試験 過去問

小学3 年生の男児。知能検査では全般的な知的発達に遅れは認めない。1 年生の ころから読み書きに強い困難を抱えている。文章を読む際に流暢に正しく読むこと が難しく、音読が極端に遅い。漢字の書き取りも苦手で、黒板の文字の書き写しに 時間がかかる。保護者は「家では普通に会話もでき、計算などは問題ない」と話して いる。 この患児の障害で最も考えられるのはどれか。

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正解: 3

正答

3.限局性学習症〈限局性学習障害〉

この問題のポイント

知的発達に遅れがないが、特定の学習領域(読み・書き)にのみ困難が現れる場合、限局性学習障害が最も考えられる。特に、音読が極端に遅い、漢字の書き取りが苦手、黒板の文字を書き写すのに時間がかかるなどの症状は、読字障害(ディスレクシア) の典型的な特徴である。

解説

この小学3年生の男児は、全般的な知的発達に遅れはなく、会話や計算といった日常生活や一般的な認知機能は問題ない。しかし、読み書きに強い困難を抱えている。音読が極端に遅く、文章を正しく流暢に読むことが難しいこと、漢字の書き取りが苦手で書き取りに時間がかかる点は、読字障害(ディスレクシア)の特徴に一致する。

作業療法の観点から、この障害は「知的発達の正常範囲内に存在する、学習領域に限定された困難」であり、限局性学習障害(SLD)に該当する。特に、読み書きの困難が主な課題であり、他の学習分野(計算、会話)では正常な機能を維持していることから、この診断は妥当である。

障害の性質として、音韻処理の困難が基盤とされ、ASDやADHDとの合併も見られるが、本問ではその情報は与えられていない。重要なのは、学習の「限局性」 であり、知的発達の遅れとは異なるため、他の発達障害とは区別される。

選択肢の確認

1.素行症〈素行障害〉:他者への攻撃や規則違反が特徴で、学習困難とは関係ない。
2.反抗挑発症〈反抗挑戦性障害〉:拒否や敵意が特徴で、読み書きの困難とは異なる。
3.限局性学習症〈限局性学習障害〉:読字・書字の困難に特徴があり、知的発達は正常で、本問の症状に最も一致。
4.脱抑制型対人交流症〈脱抑制性愛着障害〉:対人関係の問題が中心で、学習困難とは直接関係ない。
5.反応性アタッチメント症〈反応性愛着障害〉:養育環境による愛着形成の問題で、学習行動とは無関係。

覚えるポイント

「知的発達は正常だが、読み書きだけが困難」→ 限局性学習障害(特に読字障害)が最も考えられる。
作業療法では、読書・書き取りの支援音韻処理の訓練環境調整(例:音声補助、書き取りの段階的指導)が重要。

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