60PM046|第60回 作業療法士国家試験 過去問
作業療法における自閉スペクトラム症〈自閉症スペクトラム障害〉患者への対応で 適切なのはどれか。
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正解: 5
正答
5.コミュニケーションの課題にはSST を用いる。
この問題のポイント
自閉症スペクトラム障害(ASD)患者は、対人関係やコミュニケーションにおいて困難を抱えることが多く、その中で「具体的な社会的スキルの習得」が最も効果的であるとされています。作業療法では、こうした課題に対して「社会生活技能訓練(SST)」を用いることが、臨床的にも支持されています。
解説
ASD患者の対応においては、構造化された環境と明確な指示が重要です。特にコミュニケーションの課題では、抽象的な内省や曖昧な言葉遣いは効果が薄く、代わりに「実際に起こる場面」をもとにしたスキル訓練が有効です。SST(社会生活技能訓練)は、日常的な場面(例:会話の開始、意見の伝え方、感情の表現)を模擬して学習させる手法で、患者が実際に使えるスキルを身につけるための介入です。このため、SSTはASD患者のコミュニケーション課題に最も適した介入法です。
一方、他の選択肢は臨床的根拠に反します。問題行動に対して内省を促すのは、ASD患者が内省を難しく感じるため効果が薄く、代わりに具体的な行動代替(例:代替行動の提示)が求められます。短文で指示を簡略化することは、意図が伝わらない可能性が高く、明確で具体的な指示が必要です。こだわりに対して無言で制止することは、不安や混乱を招き、代替として「その行動を認めつつ、代替行動を提示する」ことが適切です。導入期には自由度の高い活動は、不安を増幅させるため、構造化された、段階的に増加する課題が適切です。
選択肢の確認
1.問題行動に対しては内省を促す。:不適切。抽象的で効果が乏しい。
2.言葉を省略した短文で指示をする。:不適切。意図の伝達が困難になる。
3.こだわりが認められた時は無言で制止する。:不適切。混乱を招く。
4.導入期には自由度の高い作業活動を用いる。:不適切。不安を増幅する。
5.コミュニケーションの課題にはSST を用いる。:適切。具体的な社会的スキルの学習が可能。
覚えるポイント
公式正答は5。設問条件と各選択肢の違いを結び付けて覚える。