60PM028|第60回 作業療法士国家試験 過去問
橈骨遠位端骨折の術後に前腕から手関節の外固定を行った。 外固定期間中の患肢への作業療法で最も優先されるのはどれか。
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正解: 3
正答
3.手指の屈伸自動運動
この問題のポイント
外固定期間中の患肢ケアでは、固定されている関節以外の部位に焦点を当てることが重要です。橈骨遠位端骨折では前腕から手関節までが外固定されているため、その範囲内の運動は不可。しかし、手指の動きは浮腫や拘縮、腱癒着のリスクを早期に防ぐ上で極めて重要です。
解説
外固定中は「固定されていない関節を動かす」という原則が適用されます。この場合、手指(MP・PIP・DIP関節)は固定されていないため、自動運動を適切に実施することで、拘縮や浮腫を予防できます。特に手指の屈伸運動は、末梢循環を維持し、腱の正常な癒合を促進します。浮腫が長期化すると、複合性局所疼痛症候群(CRPS)などの悪化を引き起こす可能性があるため、早期に介入することが求められます。一方、前腕の回内・回外運動やADLの使用は、外固定期間中は骨癒合を妨げるリスクがあるため実施できません。温熱療法は炎症のリスクを増加させる可能性があり、適切でない。母指の内転位は機能肢位(対立位)を保つべきであり、内転は拘縮を引き起こすため避けるべきです。
選択肢の確認
1.温熱療法:骨折直後は温熱を避ける。血流増加で浮腫悪化のリスクあり。
2.母指内転位保持:機能肢位(対立位)を保つべき。内転は拘縮の原因。
3.手指の屈伸自動運動:固定外の手指を動かすことで浮腫・拘縮を予防。最優先。
4.前腕回内外自動運動:前腕が外固定されているため実施不可。
5.ADL での積極的な使用:患肢の負担が骨癒合を妨げるため、禁忌。
覚えるポイント
「固定されていない部分だけを動かす」。手指の自動運動は、浮腫予防と早期の機能回復の鍵。外固定中でも、最小限の運動でリスクを回避し、安全に機能維持を図る。